海自イージス艦、艦載機離着艦支援


イージス護衛艦みょうこうのアンテナ群の中に設置されている水平指示器(horizon reference system)(19.8.25 頼 撮影)


海自の新しい艦船が装備している二本組みの水平指示器(てるづき搭載のもの)(19.9.6 頼 撮影)

海上自衛隊と米海軍の共同訓練が行われだしてから久しいが、艦載機を離着艦させるという空母のルーティンワークの支援まで行っていたとは...。
オーストラリア近海から横須賀まで、空母の戦闘訓練を支援しながら移動してきた海自のイージス護衛艦は、空母戦闘群に組み込まれていたとみなければならない。

海上幕僚監部の日米共同訓練の実施についての「お知らせ」(令和元年8月24日付け)は、米海軍とのこの共同訓練の目的、内容について記している。
1 目 的   海上自衛隊の戦術技量の向上及び米海軍との連携の強化
2 期 間   令和元年8月13日(火)〜8月24日(土)
3 訓練海空域  バシー海峡周辺から関東南方に至る海空域
4 参加部隊 (1)海上自衛隊:護衛艦「みょうこう」
       (2)米海軍:空母「ロナルド・レーガン」ほか、艦艇数隻
5 訓練項目 各種戦術訓練

米太平洋艦隊司令部のニュースでは、この米空母と護衛艦みょうこうの共同訓練の内容を、海幕よりもほんの少し詳しく出している。

「ともに航行しながら、レーガン空母戦闘群とみょうこうは、通信訓練を行った。みょうこうはまた、艦載機の離着艦中の空母レーガンに水平を指示(horizon reference)していた」

右に左に傾きながら風上に向かって疾走する空母に、艦の傾き具合を教えて操艦を支援していたのだろう。
上掲の写真が、海自の新鋭艦に装備されている水平指示器だ。下段のバーが水平を常に示している。自艦に着艦するヘリのための装置だが、これを空母に対する水平指示に使ったと思える。

水平を指示するみょうこうの役割は、空母戦闘群司令官の指揮下にみょうこうが入らない限り果たせないものだ。

ところで、下の写真は米軍の映像サイトの DVIDS にでているものだが、撮影場所・日時は Coral Sea ,7月28日撮影、発表が8月15日となっている。これが正しければ、みょうこうはタリスマン・ セイバー演習終了直後にオーストラリア近海から空母とともに行動していたことになる。海幕の発表は共同行動期間の後半だけで、前半のみょうこうの行動は隠していたといわれても仕方がない。

海幕がみょうこうの行動を完全に発表して、この時期に珊瑚海付近にいなかったと言えば、隠ぺいという「濡れ衣」もはがせるのだが。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


Coral Sea でレーガンと並走するイージス護衛艦みょうこう(2019.7.28 米海軍下士官撮影 DVIDS USS Ronald Reagan(CVN 76) より)


2019-9-15|HOME|