衝突事故から2年有余、駆逐艦マケインの修理完了


長期の修理工事と試験航海の後、横須賀基地の錨地で弾薬の積み込みを行ったジョンSマケイン(2019.11.13 頼 撮影)


弾薬を積んでの短期航海から戻り、今はマスターピアに停泊中のジョンSマケイン(19.12.4 頼 撮影)

2017年8月、シンガポール沖で民間タンカーと衝突して船体に大穴を開けた駆逐艦ジョンSマケインは、フィリピン・スービック経由で同年12月に横須賀基地に戻ってきた。

マケインの事故の2か月前に下田沖でコンテナ船と衝突して艦の中央部が大破した駆逐艦フィッツジェラルドは、横須賀基地にタグの助けを借りて帰還したが、イージスシステムの中枢部が破壊さ れたため、重量物運搬船に積まれて米本国に送られた。

ジョンSマケインは、17年12月後半に横須賀基地の5号ドライドックに入渠した。ドライブ・シャフトなどの駆動系統が主な修理箇所だったようだ。
マケインがドライドックを出たのはほぼ1年後の18年11月末で、それ以降、台風避難のわずかな期間をのぞいて19年10月末までマスターピア・ウェストに接岸して修理を続けていた。
その後マケインは弾薬積み込みと試験航海を終え、横須賀基地に戻ってきた。いよいよ、戦闘準備の状態に入ったとみられる。

横須賀基地配備の米軍艦船は、2015年から18年の間に巡洋艦1隻、駆逐艦2隻の純増となっている。ただ、その中にジョンSマケインとフィッツジェラルドが在籍艦にカウントされていたの で、実際の稼働可能な艦船は18年のミリウス配備以降1隻増という形で推移してきた。
今回のマケインの「現役復帰」で、稼働可能艦は2隻増となり、ミシシッピ州インガルス造船所で修理とシステムのグレードアップが2020年夏以前に終了するといわれているフィッツジェラルド が横須賀に改めて配備されれば、純増3隻の基地機能強化の重みが横須賀にのしかかってくる。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


シンガポール沖の衝突事故から4か月後に横須賀に戻ってきたジョンSマケイン。応急修理の跡が丸見えだ(17.12.5 頼 撮影


5号ドックに入った駆逐艦ジョンSマケイン(17.12.20 頼 撮影)


2019-12-14|HOME|