原子力空母定期修理の放射性廃棄物運搬船、横須賀入港は3月30日前後か


米連邦政府の業務公告サイトbeta.SAM.govに掲載された、放射性廃棄物運搬船チャーターの公告


業務内容の見積もり文書には、クラス7の危険物質(放射性物質)とクラス8の危険
物質(腐食性物質)の入った20フィートコンテナを4つ運ぶことなどが書かれている。

 原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理が今年も横須賀で行われている。定期修理で排出される放射性廃棄物などの危険物質を横須賀から米国本土に向けて運搬する貨物船の募集公告が今月、 米連邦政府の業務公告サイトbeta.SAM.govに掲載された。
 今回の公告の中には原子力空母ロナルド・レーガンという言葉は出てこないが、以下の業務の内容から考えると、レーガンの定期修理で排出される放射性廃棄物の輸送業務とみて間違いないだろ う。

 横須賀の13号バースからグアムを経由してブレマートンに向かう輸送業務を担う米国船籍の貨物船を公募しているのは、MSC(Military Sealift Command)すなわち米海軍の軍事海上輸送司 令部だ。ワシントン州ブレマートンには、ピュージェット・サウンド海軍造船所・中間修理施設がある。
 運ぶ荷物は、クラス7の危険物質(放射性物質)とクラス8の危険物質(腐食性物質)の入った20フィートコンテナを4つと、一般的な貨物の入った20フィートコンテナ2つ、さらにクラス 7とクラス4.1(可燃性物質)の危険物質の入った木と金属の箱が15個だ。
 横須賀で積み込む貨物とグアムで積み込む貨物の区別が不明だが、昨年の場合には、コンテナは横須賀で積み込み、木と金属の箱はグアムで積み込むものと明記されていた。

 荷積みが横須賀で開始される日、Laydaysは3月30日から4月2日までの4日の間のどれかだ。これまで荷積み開始の数日前に放射性廃棄物運搬貨物船が横須賀基地沖に来ている。3月末には 横須賀沖に姿を見せるのではないか。
 最初の荷積み港すなわち横須賀では6日間、次の港すなわちグアムでは2日間、荷下ろし港ブレマートンでは2日間をそれぞれ費やす計画とするように、MSCは求めている。

なお、貨物船のチャーター期間は、当初、2月12日には32日間と発表されたが、2月14日には22日間に修正された。22日間で終えることのできる業務なのかは疑問も感じるところだが。

いずれにせよ、1964年8月のエード・メモワールの約束を破って、今年も原子力空母の動力装置の修理が横須賀で行われ、艦外に放射性廃棄物が搬出されるということなのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


横須賀からグアムを経由してブレマートンに向かうことなどが書かれている。


レイ・デイが3月30日からであることなどが示されている。ただし、2月12日に公表された
この文書では、チャーター期間が32日間となっているが、その後、22日間に訂正されている。


2020-2-29|HOME|