空母レーガン、横須賀一時寄港の目的は?


12号バースに着岸寸前の空母と、バース上の荷物やバス(9:43)


木箱が並ぶ後ろに、2台の大型バス(9:30)。大型クレーン(ヨコヅナ)は、ふ頭の先まで移動している。この時、空母は港中央で回頭中

8月1日に横須賀基地に入港して8時間ほどで出て行った空母レーガンは、なにをしにきたのだろう?

空母入港前の12号バースには、接岸作業支援の兵士たちとともに、大きな木箱や透明なシートで覆われたボックスがたくさん置かれていた。
たくさんといっても、埠頭からあふれるほどでもなく、このくらいの量なら洋上で補給艦からヘリが吊り下げて空母に運ぶことが十分可能だ。

せっかく一時的にでも寄港したのだから、新鮮な食料などを積み込んだのだろうが、それだけのために空母を横須賀まで持ってくることはないだろう。
補給艦が積んで、南シナ海あたりまで行けば、そのほうがコストははるかに少ない。

空母が観音崎を過ぎて横須賀に近づいているときに、2台の大型バスが12号バースに現れた。人を載せていたかどうかは不明。
12号バースの真ん中にいた移動式の大型クレーン(ヨコヅナ)が、バースの先端部まで動き、空母乗降用の大きなタラップを使うスペースができた。

空母から人が降りてきてバスにのったか、バスから降りた人が空母に載ったか、あるいはその両方なのかはわからない。
ただ、このバスが2週間の隔離のための施設と12号バースの間を走ったことは間違いないだろう。

コロナ前だったら、空母が任務航海中に東南アジアやオーストラリア、グアムなどに寄港することはよくあった。その時に任務の交代や退役で船を離れる兵士と、途中から船に乗り込む 兵士が、寄港中の外国の港で交代することもあっただろう。
海外での船からの出入りが厳重に制限されていれば、隔離設備の整っている母港まで戻ってくるしかない。大型バス2台で数十人の兵士の乗降のために、空母が横須賀に一時寄港したと 考えるのが自然だ。

引っ掛かるのは、船の中でのコロナ感染が判明して下船させるために横須賀に戻ってきた、という可能性がゼロではないことだ。米軍はコロナ感染者の詳しいデータを、日本政府や横須賀 市など地元自治体にきちんと伝えていない。
感染者情報の開示が進まないと、米軍艦船の出入りのたびに基地周辺住民の心配の種が増えることになる。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(20.8.1 頼 撮影)



(8:19)大型クレーン(ヨコヅナ)の斜め後方に大型バンが到着。横開きの側面から木箱を下しだす。まだバスは来ていない。空母は観音崎沖通過中



(8:52)大型クレーンの後ろにバスが来ている。空母乗降用のタラップも近くに見える。空母は横須賀港外錨地付近を通過中


2020-8-3|HOME|