ロス級(前期)原潜、28日に短時間寄港
10月28日午前、浦賀水道を北上する原潜。後方は第一海堡
横須賀本港沖でいったん方向転換する原潜に向かう横須賀基地のタグボート
動きを止めた原潜に接舷するタグボート
10月28日と30日に立て続けに原潜が横須賀基地に寄港した。
28日に寄港した原潜は、ロサンゼルス級の中で艦橋から潜舵が左右に出ている前期型だった。外務省から横須賀市に通知があった艦名はプロヴィデンス(SSN719)だ。
プロヴィデンスはコネチカット州グロトンを母港とする大西洋艦隊配属の原潜だ。
前期ロス級原潜は、いま任務に就いているのは6隻となっている。太平洋艦隊指揮下にグアムを母港とするキーウェスト(SSN722)とオクラホマ・シティー(SSN723)、ハワイを
母港とするシカゴ(SSN721)の3隻。大西洋にはグロトン母港のニューポート・ニューズ(SSN750)とプロヴィデンスのほかにヴァージニア州ノーフォークを母港とするヘレナ(S
SN725)がいる。
キー・ウェスト、ヘレナ、ニューポート・ニューズはドックに入っている。オクラホマ・シティーは10月29日にグアムを出たという。
28日に横須賀に来る可能性があるのは、プロヴィデンスとシカゴだけだ。
シカゴは10月2日に横須賀に寄港して6日に出港している。まだ西太平洋をウロウロしていて、ふたたび横須賀に寄港することはありうる話だ。
しかし、大西洋艦隊の原潜が、わざわざ横須賀まで来るのは簡単な話ではない。
プロヴィデンスは過去2回、横須賀に寄港したことがある。2006年の米印合同演習MALABARに参加した時と、2008年に北極点を通って太平洋にやってきたときの2回だ。
横須賀基地13号バース接岸後3時間半で出航したこの前期ロス級原潜が、外務省の言うとおりにプロヴィデンスだったとすると、米東海岸からわざわざ極東までやってくる特別の事情があったのか
もしれない。
どこかで艦名を間違えて、シカゴとするところをプロヴィデンスにしてしまった、というほうが、潜水艦の動きとしては「自然」にみえるのだが。
(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(20.10.28 頼 撮影)
横須賀本港に入ってきた原潜
13号バースに着岸寸前の原潜。手前の12号バースには揚陸艦グリーン・ベイが停泊中
2020-11-1|HOME|