空母レーガン、定期修理始まったが...


空母レーガンの飛行甲板。工事用の車両が並ぶが、カタパルト用の黒いパイプはない


空母レーガンの飛行甲板後部。リフレクターの機能チェックは行われているが、プレハブはまだ建っていない

原子力空母レーガンが、今年の任務航海を終えて横須賀に戻ってきたのが11月14日。昨年より2週間近く遅い帰港だった。

空母は任務航海を終えた後も即応態勢を1か月続ける。すぐにメンテナンス状態に入るのではなく、何かあれば再び任務航海に出る態勢を維持する。
空母11隻で、そのうちの1隻は燃料交換・オーバーホールという2年以上の「お休み」に入る。残りの10隻を太平洋、大西洋に分けると、それぞれ5隻で任務航海、短期の休み、 短期の修理などを組み合わせて、出動可能状態(出動中を含む)の空母を確保しなければならない。
任務航海から戻ったばかりの空母は、訓練も行き届いているからすぐに任務から解き放すのではなく、ひと月は即応体制のまま港にいることで、その期間に出動可能な空母の数を増やす ことができる。

空母は任務航海終了後に、大掛かりな修理を一か月待っているのがこれまでの例だった。横須賀母港の空母も、11月から12月ころに帰港すると、甲板をはがすような 定期修理は1か月後から始めていた。昨年は11月2日に帰港して、飛行甲板にカタパルトメンテナンスの器具が並んだのは12月2日だった。

では、今年は?

帰港後1か月のたった12月14日には、工事用の車両などが飛行甲板に並びだした。ジェット排気を上方に散らすリフレクターも作動の確認を始めた。
だが、大掛かりな工事の対象のカタパルトには手がついていない。黒く塗られた太い管も甲板上に並んでいない。

コロナのまん延で作業が遅れているのか、それとも工事の途中で復旧するのに時間がかかるカタパルトの点検修理に、あえて手をつけていないのだろうか。
後者だとすれば、レーガンを緊急に投入するような事態を米軍が予測しているのかもしれない。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(2020.12.23 頼 撮影)


2020-12-26|HOME|