トマホークミサイルなど、浦郷弾薬庫から沖合の巡洋艦に


浦郷弾薬庫の弾薬積み出しふ頭に16番(右)、20番(左)のバージがいて、20番バージにミサイル積み込み中


20番バージの上で作業する兵士が、平和船団のボートを見ていた


20番のバージの上のミサイル容器には(左)スタンダードミサイル、(右)液体燃料ロケット(トマホークのこと)の文字が

5月4日、放射性廃棄物の原子力空母から輸送船への移送に抗議し、監視するために船出したヨコスカ平和船団は、出航して間もなく浦郷弾薬庫の弾薬積み込みふ頭の前を通った。
米軍には祝日でも何でもない日で、弾薬庫では弾薬取扱中であることを示す赤旗がポールに掲げられていた。

2隻のバージが接岸していて、そのうちの20番バージ(YCV-20)では黄色いクレーン車がアームを伸ばして、白いミサイル・キャニスター(容器兼発射装置)を積み込んでいた。
ひと固まりのミサイル・キャニスターには "GM STD(MR)"の文字が見える。Guided Missile STANDARD(Medeum Range)の略号で、中距離対空ミサイル・スタンダードが入ってい ると見られる。

もうひと固まりのほうには、"ROCKETS, LIQUID FUELED" 液体燃料ロケットと書かれていて、こちらはトマホーク・ミサイル入りだ。

横須賀港沖の錨地には巡洋艦シャイローが5月2日から停泊している。抗議・監視行動を切り上げてボート・パークに戻る途中に沖合を見たら、シャイローの左舷後部に白いミサイル・ キャニスターを数十本積んだバージが横付けされていて、そのバージは20番のバージだった。2時間前に浦郷弾薬庫で積み込んでいたスタンダード・ミサイルやトマホーク・ミサイル が、巡洋艦シャイローに積み込まれようとしていた。
先ほどトマホークが並べられていた側には、20本以上のキャニスターが数えられた。反対側には同じくらいのスタンダード・ミサイルも積み込まれて、沖の巡洋艦までタグボートに より連れていかれたのだろう。

トマホークはイラク戦争の開戦時を振り返るまでもなく、先制攻撃兵器の最たるものだ。米軍の巡洋艦・駆逐艦は、空母の護衛などで横須賀を出港するが、その役割が護衛だけではない ことは、多数のトマホークを積んで出港することからも言える。

横須賀基地は、戦争を始めるための最前線基地になっている。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(2021.5.4 頼 撮影)


沖の錨地に停泊中の巡洋艦シャイローに、ミサイルを多数積んだ20番のバージが接舷していた。


塚山公園の見晴らし台から見下ろした横須賀基地の先に、シャイローが停泊していてミサイル積み込み準備中


2021-5-5|HOME|