放射性廃棄物、原子力空母から輸送船に移される


空母のエレベーターから放射性廃棄物の入ったコンテナ(白丸)が12号バースの大型クレーンで釣り上げられた


貨物船モホークに向かって「空中移動」する、放射性廃棄物の入ったコンテナ

5月4日午前9時から、放射性廃棄物を詰めたコンテナの、原子力空母から輸送船への移送が始まった。ロナルド・レーガンの定期修理で、原子炉のメンテに伴い生じたウェスなどの 放射性廃棄物などがコンテナに詰められている。

原子力艦の日本の基地への入港に伴い、原子炉の修理は日本国内では行わないこと、発生した放射性廃棄物を日本に持ち込まないことが日米の公文書で約束されている。その約束を 守るならば、決して出てこないはずの放射性廃棄物。また原子力空母から横須賀港への放射性廃棄物の搬出だってあり得ない。

クレーンでつるしていれば(廃棄物が地面につくことがないから)日本での排出ではない、などという子供でも分かるごまかしを押し通した結果が、今回の放射性廃棄物入りのコンテ ナの「クレーンによる」移送だった。

これほどのウソとごまかしが、臆面もなく毎年繰り返されているのだ。
今年はコンテナ4個に収められた放射性廃棄物を含む有害廃棄物が搬出された。海上から抗議し、監視した市民隊の前で運ばれたコンテナのうち、2番目のコンテナには、放射性廃棄物 の輸送コードが記されていた。少なくともコンテナ一個分の放射性廃棄物が、公文書で交わした約束を破って原子力空母から外に出された。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(2021.5.4 頼 撮影)


後方の原子力空母ロナルド・レーガンから手前の貨物船モホークに運ばれる放射性廃棄物の入ったコンテナ


2回目に運ばれたコンテナに「UN2910」の文字(左上)。輸送する中身が放射能量が少ない放射性物質であることを示す国連コードだ


2021-5-4|HOME|