海自補給艦による米艦への洋上補給、相次ぐ


昨年12月6日、東シナ海で駆逐艦ヒギンズ(手前)に洋上補給を行う海上自衛隊の補給艦「ときわ」。
「ときわ」のマストには、なぜか大きな星条旗が掲げられている。海自の気分は「米軍の一員」ということなのだろうか。
(米軍画像サイトDVIDSより引用 https://www.dvidshub.net/image/6971052/uss-higgins-ras)


昨年12月23日、フィリピン海で洋上補給を行うために駆逐艦ベンフォールドに接近する海上自衛隊の補給艦「とわだ」。
(米軍画像サイトDVIDSより引用 https://www.dvidshub.net/image/6994026/uss-benfold-conducts-replenishment-sea-with-js-towada)


1月6日、フィリピン海で駆逐艦デューイ(手前)に洋上補給を行う海上自衛隊の補給艦「おうみ」。
(米軍画像サイトDVIDSより引用  https://www.dvidshub.net/image/7006940/uss-dewey-conducts-ras-with-js-oumi)


 昨年末から今年の初めにかけて、海上自衛隊の補給艦が相次いで米軍艦船への洋上補給を行った。米軍のHPの記事によれば補給を行った場所は、フィリピン海や東シナ海だ。

 まず12月6日、東シナ海で補給艦「ときわ」が米海軍駆逐艦ヒギンズ(DDG76)に洋上補給を行った。

 12月23日には、フィリピン海で補給艦「とわだ」が駆逐艦ベンフォールド(DDG65)に洋上補給を行った。

 さらに1月6日には、補給艦「おうみ」がフィリピン海で駆逐艦デューイ(DDG105)に洋上補給を行った。

いずれもフィリピン海や東シナ海で、おそらく中国を牽制する活動をしている米イージス艦への洋上補給だ。こうした補給活動が、米軍の軍事活動を支えるものであることを海上自衛隊ははっきり意識して、敢えて行っているのだろう。

しかし、今回のいずれの補給活動についても、画像サイトDVDISなど米軍のHPには情報が掲載されているが、防衛省・海上自衛隊は何も発表していないようだ。そもそも日本社会に暮らす人びとは、海上自衛隊の今回の米軍への補給活動について事前に何も知らされていないし、その当否を政治の場で議論する機会すら持つことができていない。

 自衛隊と米軍が一体となって軍事活動を行うという、既成事実が勝手に次々とつくられていく。これを暴走と言わずして何というべきか。

なお、12月6日に東シナ海でヒギンズに洋上補給を行った「ときわ」は、その直後の12月11日に横浜港の民間施設である大東タンクターミナルに接岸して補給を受けている。米艦に燃料補給をした直後の海自補給艦への補給が横浜港の民間施設で行われたということは、横浜港の民間施設が米軍の軍事活動を支えるインフラとして機能させられているということだ。

 近年、この大東タンクターミナルに海自の補給艦が頻繁に接岸するようになった。今年に入って1月11日にも、「ときわ」は大東タンクターミナルに接岸している。(「ときわ」はその直後、1月13日にJMU横浜事業所鶴見工場にドック入りした)

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


昨年12月11日、横浜港の民間施設、大東タンクターミナルに接岸する海上自衛隊の補給艦「ときわ」。
(2021.12.11星野撮影)


2022-1-22|HOME|