原子力空母定期修理の放射性廃棄物運搬船、4月19日頃に横須賀到着か


米連邦政府の業務公告サイトSAM.govに掲載された、放射性廃棄物運搬船の募集公告


20フィートコンテナを最低6個積載可能な米国船籍の船の公募で、横須賀の13号バースからワシントン州ブレマートンまで、クラス7及びクラス8、クラス4.1の
危険物質を運搬する業務であること、2021年4月19日から22日までがLAYDAYSで、チャーター期間は30日間であることなどが書かれている。

 在日米軍が2月15日に発表した情報によれば、米海軍横須賀基地内において過去24時間以内に35人の新たな新型コロナウイルス感染者が見つかったという。相変わらず感染拡大が深刻な状況だ。
 にもかかわらず、今年も原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理が横須賀基地で行われている。この定期修理で排出される放射性廃棄物などを横須賀から米国本土に運ぶ運搬船の募集公告が、米国東部標準時の2月14日、米連邦政府の業務公告サイトSAM.govに掲載された。

 20フィートコンテナを最低6個積載可能な米国船籍の貨物船の公募だ。このコンテナの数は、昨年の原子力空母定期修理の廃棄物運搬業務と同じ数だ。6個のコンテナのうち4個は、クラス7とクラス8の危険物質及び20箱のクラス4.1とクラス7の危険物質を入れることになる。クラス7の危険物質とはまさに放射性物質であり、クラス8は腐食性物質、クラス4.1は可燃性物質だ。
 これらを横須賀基地の13号バースからワシントン州ブレマートンまで運ぶのが、この業務の内容だ。

 この募集公告には、「原子力空母」という言葉も、「ロナルド・レーガン」という名前も載っていないが、13号バースで放射性物質を積み込むということは、原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理で排出される放射性廃棄物などを運搬する業務であることを示してている。

 業務公告によれば、4月19日から4月22日までがLAYDAYS、入港可能な期間で、チャーター期間は30日間だ。
 つまり、この公告の通りに進むならば、4月19日から22日までの間に放射性廃棄物運搬船が横須賀に現れて、荷積み作業が行われるのだろう。
 新型コロナウイルスの感染が広がる前は、荷積み開始の数日前には放射性廃棄物運搬貨物船が横須賀沖に到着していた。しかし、2020年には定期修理後の廃棄物搬出は中止され、2021年の搬出作業は当初の計画から遅れて5月に入ってから行われた。今年の運搬計画も、あくまでも業務公告の第一報掲載時点のものであり、今後大きく変わる可能性がある。現時点での工事の進め方も昨年とは違いがあるようだ。

 ところで、原子力空母の定期修理で放射性廃棄物が排出されるということは、原子力空母の動力装置の修理が横須賀で行われているということだ。それは、原子力艦船の動力装置の修理も、放射性廃棄物の艦外への搬出も日本国内では行わないと米軍が約束した、1964年8月のエード・メモワールに完全に違反する危険な行為だ。
 エード・メモワールは日米両政府が確認した公文書だ。何度踏みにじろうとも、あるいは忘れたふりをしようとも、違反は違反であり、決して許されない行為だ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2月15日、定期修理中の原子力空母ロナルド・レーガン(2022.2.15 星野 撮影)


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