原潜ノース・カロライナ、横須賀入港


横須賀基地の13号バースに停泊中の原子力潜水艦ノース・カロライナ。(22.2.27 星野 撮影)

 2月25日、横須賀基地に原子力潜水艦ノース・カロライナ(NORTH CAROLINA、SSN 777)が入港し、13号バースに接岸した。

 外務省からの横須賀市への連絡によれば、寄港の目的は「休養・補給・維持」だ。

 今年の原潜の横須賀寄港は、1月10日から25日にかけて滞在したミズーリ(MISSOURI、 SSN780)に次いで2回目だ。 13号バースの隣、12号バースでは原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理が続いており、東京湾内のごく狭い空間に3つの原子炉が密集して浮かぶ、という状況がつくられた。


ノース・カロライナは全長約115メートルのバージニア級攻撃型原潜だ。後ろには、定期修理中の原子力空母ロナルド・レーガンが見える。(2.27 星野 撮影)


 ノース・カロライナの横須賀寄港は2020年6月19日以来のことだ。記録を見る限りでは、ノース・カロライナが横須賀にやって来たのは、2011年12月、2014年6月、2015年11月、2020年の4月と6月、そして今回の2022年2月で計6回目だ。

 2020年6月の横須賀寄港の時には13号バースに接岸したものの1泊で出港しており、同年4月の寄港の時にはそもそも接岸せずに錨地に2時間ほど錨泊しただけで出港した。2020年の寄港がいずれも短期間だったのは、COVID-19に乗組員が感染しないようにするための措置だった可能性がある。

 2022年2月現在、横須賀基地ではCOVID-19が猛威を振るっている。在日米軍の2月23日の発表によれば、横須賀基地ではこの日の発表の時点から過去24時間のあいだに新たに12人の患者が見つかっている。にもかかわらずノース・カロライナは、2020年の2回の寄港時よりも今回の寄港の方が長い滞在となっている。

 今回ノース・カロライナは、西太平洋での任務航海のため昨年11月4日にパール・ハーバーを出港して横須賀にやってきたのだが、横須賀に寄港するまでの間にどこか別の港に入港した記録はない。
 無寄港での任務航海が続いたので、乗組員の休養や補給、艦のメンテナンスのための時間をかけた滞在がどうしても必要になったということなのだろうか。


DDS(ドライ・デッキ・シェルター)とみられる物体がノース・カロライナの後部に取り付けられているのが目に付く。(2.27 星野 撮影)


 ところで、13号バースに接岸した原潜ノース・カロライナで目を引くのは、艦の後部に取り付けられたDDS(ドライ・デッキ・シェルター)とみられる物体だ。ノース・カロライナが2015年に横須賀に寄港した際には取り付けられていなかった。

 DDSは、海中から秘密裏に「敵地」に潜入し破壊活動なども行う特殊部隊が使用する装置だ。攻撃型原潜ノース・カロライナは、そうした工作員も乗せて日本周辺を含む西太平洋で活動しているということなのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2月25日のノース・カロライナ入港当日の13号バース。艦橋と垂直尾翼の一部が見えていた。(2.25 星野 撮影)


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