英海軍哨戒艦スペイ、横須賀の海自基地に寄港


11月8日、海上自衛隊横須賀基地、長浦港に停泊する英海軍哨戒艦スペイ。船体にダズル迷彩が施されている。
同型艦のテイマーの艦橋前方の下部には、大きな赤い紋章が描かれているが、スペイにはそのような紋章は描かれていない(22.11.8 木元 撮影)


11月9日、横須賀を出港するスペイ(22.11.9 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


11月8日、イギリス海軍哨戒艦スペイ(HMS SPEY P234)が海上自衛隊横須賀基地の長浦港に接岸した。

スペイは、同型艦のテイマー(HMS TAMAR P233)とともにインド太平洋地域に5年間常駐するために昨年9月にイギリスから派遣された小型の軍艦だ。

そのテイマーは、すでに2月14日から同月22日にかけて米海軍横須賀基地の13号バースに寄港しており、9月には佐世保にも入港し、さらに10月20日から11月27日にかけては横浜港にある三菱重工横浜製作所本牧工場に入った。

他方、スペイは、11月8日の海自横須賀基地寄港が日本への初寄港だったとみられる。
この哨戒艦は、9月後半にはオーストラリアのダーウィン及びその周辺にいた。その後、9月末から10月初めにかけてインドネシアのベノアに寄港し、さらに10月後半には、フィリピンのマニラサウス港に入港していた。

スペイは11月9日の午前中には横須賀を出港し、日米共同統合演習「キーンソード23」(Keen Sword 23)に参加して11月11日から17日頃にかけて奄美大島や徳之島の近海にいた。

キーンソード23は、「グレーゾーン事態から武力攻撃事態等における自衛隊の運用」や「日米共同対処」を想定しておこなわれた大規模な日米共同軍事演習だ。
日米共同演習ではあるが、自衛隊や米軍の他にもイギリスの艦船(スペイ)や、カナダとオーストラリアの艦船や航空機も参加した。
この演習に示されているように、いざとなれば南西諸島を含む日本列島を戦場にして、自衛隊に戦闘を担わせる戦争を行うことを米軍は構想しているようだが、その戦争の構想にイギリスやカナダ、オーストラリアも参加したということなのだろうか。

「キーンソード23」の終了後、スペイは海自の呉基地に11月19日から23日にかけて滞在した。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2022-11-29|HOME|