横須賀基地に新桟橋完成
11月18日、横須賀基地に新しく建設された桟橋に海自護衛艦「おおなみ」が接岸し、完成を祝う式典が行われた(22.11.18 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)
式典の翌日、11月19日には駆逐艦ベンフォールドが接岸した(22.11.19 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)
固定桟橋が建設されていたのは、ヴェルニー公園の対岸だ(22.10.20 星野 撮影)
星条旗新聞の記事によれば、新桟橋の長さは675フィート(約206メートル弱)、幅は115フィート(約35メートル)だ(22.9.19 星野 撮影)
11月13日には、桟橋はほぼ出来上がっていたように見えた(22.11.13 星野 撮影)
横須賀基地に新しい固定桟橋が完成した。
ヴェルニー公園の真向かいの場所に建設されていた固定桟橋だ。
星条旗新聞が11月18日付けの記事でその完成を報じた。
同記事は、ヴェルニー公園とその対岸の横須賀米軍基地との間にある海域を「トルーマン湾」と勝手に呼んでいるが、そこには以前は浮き桟橋が設置されていた。しかし、「クレーン作業や船の修理のサポートができないことが主な理由で」(同記事)この「70年前」の浮き桟橋は撤去され、米国政府の予算1億2800万ドルをかけて固定桟橋の建設が進められていた。
11月18日、海上自衛隊の護衛艦「おおなみ」がこの新しい桟橋に接岸して式典が行われた。星条旗新聞の同記事によれば、式典には米海軍、海上自衛隊に加えて五洋建設の関係者も参加した。
翌11月19日には駆逐艦ベンフォールド(BENFOLD DDG 65)がこの桟橋に接岸した。本格的な使用を開始したということだろうか。
新桟橋を米軍はピア5(Pier 5)と名づけたようだ。
一度に最大3隻の船が接岸することができて、タイコンデロガ級巡洋艦やアーレイ・バーク級駆逐艦が接岸する際に必要な480ボルトの電源に接続することが可能なだけでなく、ズムウォルド級駆逐艦に必要な4160ボルトの電源に接続することも可能だという。これは、原子力空母を接岸させる桟橋と同等の能力なのだそうだ。
また、海面上昇に対応することができて、140トンの移動式クレーンを載せることもできて、さらに、標準的な50年ではなく75年使用可能な設計になっているのだという。
星条旗新聞の記事は、先駆的な設計と表現している。
1億2800万ドルもの大金を投じてこの桟橋を建設した米軍は、本気で今後75年も横須賀に居座り続けるつもりなのだろうか。
星条旗新聞の記事によれば、在日米海軍司令官は式典の際、米国が建設した新桟橋に海自の護衛艦を最初に接岸させたことほど「日米同盟」の宣伝になるものは他に無い、というようなことを言って自賛したのだという。ずいぶん恩着せがましい発言だ。
米国が日本に建設した新桟橋に最初に接岸するという「名誉」を自衛隊に与えた代わりに、これからさらにどれだけたくさんのことを日本政府に要求するつもりなのだろうか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
固定桟橋が建設された場所には、以前は浮き桟橋が設置されていた。写真の、タグボートが接岸している桟橋が、以前の浮き桟橋だ(19.9.29 星野 撮影)
かつての浮き桟橋にも、軍艦が接岸することはあった。写真は2019年5月26日、当時横須賀を母港としていた駆逐艦マキャンベル(DDG85)が浮き桟橋に停泊している(19.5.26 星野 撮影)
2022-11-24HOME|