仏フリゲート艦、横須賀寄港


8月4日、米海軍横須賀基地の新桟橋に接岸した、フランス海軍フリゲート艦、ブルターニュ(24.8.4 星野 撮影)


いわゆる「ロービジ」ということなのか、ブルターニュの艦番号「D655」は非常に薄く書かれていた(24.8.4 星野 撮影)


後方から見たブルターニュ(24.8.4 星野 撮影)


ヘリコプター格納庫に、折りたたまれたヘリが収納されているのが見える。NH90ヘリコプターではないか(24.8.4 星野 撮影)


マストに国連旗らしき旗は見当たらない(24.8.4 星野 撮影)


8月4日午前、横須賀入港直後のブルターニュ。やはりマストに国連旗は見当たらない(24.8.4 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)

8月4日の朝、フランス海軍フリゲート艦ブルターニュ(FS BRETAGNE D 655)が米海軍横須賀基地の新桟橋に入港した。

ブルターニュは、6月末からハワイ周辺海域で行われていた米主催の多国間軍事演習リムパック2024に参加していた。
また、海上自衛隊の発表によれば、リムパック2024の期間とも一部重なる6月21日から7月2日にかけて、「グアム沖からハワイ沖に至る海域」で海自の護衛艦「はぐろ」とともに「オグリ・ヴェルニー24−2」と称する日仏共同軍事演習を行った。

そして8月、幕臣小栗上野介と技師ヴェルニーの胸像が並ぶ横須賀ヴェルニー公園の真ん前の米軍新桟橋に、ブルターニュはやって来た。

このブルターニュに限らず、近年、フランス軍の、インド太平洋地域での中国を睨んだ活動が活発になっている。
米軍とその「同盟国」による、対中国作戦の一環なのだろう。
自衛隊との共同軍事演習、あるいはフランスと日本を含む多国間軍事演習も以前では考えられないほど頻繁に行われるようになった。
しかし、挑発行為の応酬の中で一旦戦端が開かれれば、まず破壊されるのは米本土や西欧ではなく、琉球弧をはじめとする日本列島であり、フィリピンの島々である。

ところで、今回ブルターニュは米海軍横須賀基地に入港したのだが、一体どのような資格によって入港したのだろうか。

確かに、フランスは朝鮮戦争の国連軍を構成しており、現在も形式的には存続している朝鮮国連軍に関して1954年に締結された国連軍地位協定によって、フランス軍は横須賀基地を使うことはできる。

そして、朝鮮国連軍としてフランスの艦船が横須賀米軍基地に入港する時には、マストに国連旗を掲げるのが通例だ。
ところが、8月4日に入港したブルターニュのマストには、同日確認した限りでは、国連旗らしき旗は掲げられていないようだ。
横須賀基地は、あくまでも日米安保条約に基づいて米軍に提供されていることになっている施設であって、それ以外の国の軍隊に提供されている基地ではない。

仏海軍フリゲート艦ブルターニュが朝鮮国連軍を名乗っていないのだとすると、一体どのような法的資格で米海軍横須賀基地に入港することが許されたのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


7月15日、リムパック2024に参加して航行するフリゲート艦ブルターニュ
米海軍太平洋艦隊HPより引用
https://media.defense.gov/2024/Jul/17/2003505118/-1/-1/0/240715-N-YV347-1179.JPG


2024-8-5|HOME|