横須賀に戻ってきた仏フリゲート艦


8月11日の朝、米海軍横須賀基地の新桟橋を離岸するフランス海軍フリゲート艦、ブルターニュ(24.8.11 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


8月14日、なぜか横須賀に戻ってきて、軍港の入り口近くに停泊したブルターニュ(24.8.14 星野 撮影)

8月4日に横須賀米軍基地に入港していたフランス海軍フリゲート艦ブルターニュ(FS BRETAGNE D 655)は、8月11日の朝、出港した。
在日フランス大使館の「X」(旧ツイッター)への8月12日付けの投稿(https://x.com/ambafrancejp_jp/status/1822920154331984237)によれば、日本や米国の「パートナーと共に海上訓練のため」とのことだった。

しかし、ブルターニュは8月14日の朝、突然横須賀に戻ってきた。
横須賀に「戻ってきた」とはいえ、埠頭には接岸せず、軍港の入り口近くに停泊するという奇妙な「再寄港」だった。
このフランス海軍フリゲート艦の、わずか3日ほどでの横須賀再寄港については特に何も告知もされていないようだ。

一体何のための再寄港なのかは、今のところ不明だ。
8月14日の時点で、台風7号が東日本に徐々に接近している。
台風がこれからやってくる港に、わざわざ戻ってくるものなのだろうか。
それとも、台風とは関係のない、何か別の理由があったのだろうか。

ところで、フランス大使館の「X」8月7日付けの投稿記事によると、ブルターニュは8月4日から11日までの横須賀滞在期間中に「全乗組員」の交代を行った模様だ。
8月8日付け記事によれば、艦長も交代したという。

フランス大使館の8月7日付け「X」記事には、乗組員の交代には「フランス航空宇宙軍」(空軍)のA330が「関与」したことや、横田基地の米軍「パートナー」の「支援を受けて実施」されたことなども書かれている。
交代要員は、横田基地にフランス空軍のエアバス機でやって来た、ということなのだろうか。

横須賀で艦長以下乗組員の交代を行ったということは、ブルターニュはフランスから遠く離れたこの東アジア周辺の海域で今後もしばらく活動を続けるということなのだろう。
米軍を中心とする対中国けん制行動に、フランス軍もヨーロッパからわざわざ出張ってきて加わって、日本列島を前方活動拠点として使う、ということだ。

しかし、万一にも軍事衝突が発生すれば、真っ先に戦火に曝されるのは、フランスでも米本土でもない。
まず破壊されるのは、日本列島を含む、東アジアや東南アジア地域であり、太平洋地域の島々なのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


8月4日、横須賀に寄港した当日、後部甲板に集合したブルターニュの乗組員(24.8.4 星野 撮影)


フランス大使館の「X」に掲載された、横須賀でのブルターニュの乗組員交代式の様子。
左がグウェネガン・ル=ブリス艦長以下これまでの乗組員で、右がオードレー・ブーテヴィル新艦長と新たに任務に就く乗組員のようだ
在日フランス大使館「X」より引用
https://x.com/ambafrancejp_jp/status/1821457356146016579/photo/2


フランス海軍(Marine nationale)の公式「X」の8月11日付け記事に掲載された、ブルターニュの乗組員交代式とみられる写真
フランス海軍「X」より引用
https://x.com/MarineNationale/status/1822309433210290586/photo/4


交代の乗組員を運んできたとみられるフランス空軍のA330機。仏軍兵士とともに米軍兵士も写っているので、横田基地での撮影だろうか
在日フランス大使館「X」8月7日付け記事より引用
https://x.com/ambafrancejp_jp/status/1821093313853677861/photo/1


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