韓国海軍の揚陸艦部隊、横須賀に来航。航空部隊の日米韓共同訓練も


海上自衛隊逸見岸壁に停泊するドック型揚陸艦「馬羅島(マラド)」(24.11.9 木元 撮影)


ドック型揚陸艦「馬羅島(マラド)」。上陸した乗組員も多かった(24.11.8 木元 撮影)


補給艦「大清」 貨油4200トン、貨物450トンを搭載可能(24.11.9 木元 撮影)


補給艦「大清」(左)と、中型揚陸艦「天子峰」(右)(24.11.9 木元 撮影)


11月7日、海自横須賀基地に入港当日の韓国艦隊(24.11.7 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)

 朝鮮(DPRK)がICBM級のミサイルを発射したのは10月30日、韓国海軍が3隻からなる巡航訓練艦隊が日本に寄港する予定であることを発表したのは11月4日。

  3隻の主要諸元は下記の通り。
ドック型揚陸艦「馬羅島(マラド)」(LPH6112)  2021年〜
全長199m 満載排水量18,500トン、乗員448名、揚陸部隊720名
中型揚陸艦「天子峰(チョンジャボン)」(LST687)  2017年〜
全長127m、満載排水量7,140トン、乗員120名、揚陸部隊不明
補給艦「大清(デチョン)」(AOE-58)   1998年〜
  全長136m、満載排水量9,200トン、乗員130名

 3隻は11月6日に紀伊半島周辺海域で海自練習艦「はたかぜ」(呉)との親善訓練を行い、7日、横須賀に入港してきた。
 韓国海軍は「巡航訓練艦隊」と発表したが、「馬羅島(マラド)」は2021年就役の新鋭艦にして、韓国海軍最大の巨艦である。

 中谷防衛相は7日に「馬羅島」を視察。
「海上自衛隊の練習艦の「はたかぜ」、これが、韓国海軍の揚陸艦の「マラド」、また揚陸艦の「チョンジャボン」、そして補給艦の「デチョン」とともに、戦術運動を実施いたしました。海上自衛隊の戦術技量の向上と、韓国海軍との友好親善及び相互理解の増進を図りました。こうした部隊レベルの訓練からですね、様々なレベルの分野において、戦略的な利益を共有する韓国との連携を強化して、引き続き、日韓・日米韓の防衛協力・交流を推進してまいりたいというふうに思っております」と記者会見で発言。
 これまで停滞して来た感のある、日韓軍事協力は今後一気に強化される可能性がある。
11月3日には日米韓の航空機部隊による共同訓練が「九州北西の空域」で行われた。日米の航空部隊の共同訓練も、10月1日には日本海でB-1爆撃機の護衛訓練を、9月25日は沖縄周辺で空中給油の訓練など、高い頻度で実施されている。

 10月25日には、韓国海軍が主催するMNMIWEX 24−多国籍海軍内の機雷対策 (MCM)訓練が釜山で実施された。19カ国、約100名の関係者が参加し、過去最大規模となったと第7艦隊司令部は広報している。「米国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのMCM部隊は、戦車揚陸艦「天王峰」(LST 686)に乗船し、アベンジャー級掃海艦USSパトリオット(MCM 7)とチームを組み、8日間の海上フェーズで機雷ハンティング作戦を実施した」としている。「天王峰」(LST686)は横須賀に来航した「天子峰」(LST687)と同型艦である。

 さまざまな共同訓練が連続する中、韓国海軍の3隻は、11日に横須賀を出港した。

(木元 茂夫)




11月3日の日米韓共同訓練。先頭を飛行するのはB-1爆撃機(統合幕僚監部HPより)








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