ジョージ・ワシントンも参加した第2回日米韓共同訓練


ジョージ・ワシントンも参加した第2回日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」。
写真は第7艦隊広報(c7f.navy.mil)より

 横須賀配備を間近にひかえた原子力空母ジョージ・ワシントンの「お披露目」は、2回目のフリーダム・エッジ演習(11月13日〜15日)となった。

統合幕僚監部は11月13日、演習の目的を次のように発表した。
「フリーダム・ エッジ24−2は、日米韓国防相が7月に署名した日米韓3か国安全保障協力枠組みに関 する協力覚書に沿ったものであり」「この演習は、第5世代戦闘機を複数領域における高度な防衛基盤に組み込み、最先端の防空能力を実証するものです」

第5世代戦闘機とはF-35やF-22などのステルス戦闘機のことであるが、なぜ、航空自衛隊のF-35は参加しないのか。その理由の説明はない。その代わりか早期警戒管制機(AWACS、機種はE-767)を参加させた。高度なレーダーと解析装置で、相手航空機の位置情報を正確に把握し、空自と米韓空軍に情報提供する任務を担ったのだろうか。

「複合的な弾道ミサイル対処訓練、防空戦闘訓練、対潜戦訓練、対水上戦訓練、海賊対処訓練及びサイバー攻撃対処訓練」とあるが、詳細な説明はない。確かに、米3隻、日1隻、韓1隻の計5隻のイージス艦の弾道ミサイル迎撃能力は相当なものだろう。一方で、米軍イージス艦に搭載された長距離巡航ミサイル・トマホークによる地上攻撃能力は、ステルス戦闘機F-35Cを中核とする空母艦載機の空爆能力とともに、朝鮮(DPRK)は重大な脅威と受け止めただろう。

参加した艦艇と航空機は下記の通り。
日本:護衛艦「はぐろ」(DDG180)、哨戒機P-3、戦闘機F-15、戦闘攻撃機F-2、早期警戒管制機E-767
韓国:駆逐艦「ソエ・ユ・ソンニョン」(DDG993、漢字表記は、西香E柳成龍)、「チュンムゴン・イ・スンシン」(DDH975、忠武公・李舜臣)、哨戒機P-3、ステルス戦闘機F-35、戦闘機F-15
米国:原子力空母「ジョージ・ワシントン」(CVN73)
イージス駆逐艦「ヒギンズ」(DDG76)、「マッキャンベル」(同85)、「デューイ」(同105)、いずれも横須賀配備。
哨戒機P-8、ステルス戦闘機F-35、戦闘攻撃機F-18(空母艦載機)、空中給油機KC-135

最後にフリーダム・エッジ演習に参加した3隻の米イージス駆逐艦の動きを見ておこう。
ヒギンズ(DDG76)は10月10日から4日間、韓国の平澤基地の岸壁に停泊、10月20日は台湾海峡を通過。佐世保経由してグァム海軍基地に停泊。
マッキャンベル(DDG85)は、10月18日以降、原子力空母ジョージ・ワシントンの随伴艦として、航海をともにした。
デューイ(DDG105)は、護衛艦「ありあけ」などとインド東海岸のヴィシャカパトナム周辺海域で、マラバール演習に参加した後、マレーシア海軍などとの演習を経て、沖縄・ホワイトビーチに停泊。
 3隻は、韓国から南シナ海まで広範な海域での作戦行動をこなして、原子力空母ジョージ・ワシントンと合流しフリーダム・エッジ演習に参加した。横須賀基地はこうした米海軍の活動を支え続けている。

(木元 茂夫)




10月20日に台湾海峡を通過し、フリーダム・エッジ演習にも参加したヒギンズ(DDG76)は、11月19日には、横須賀基地にもどっていた(24.11.19 木元 撮影)


2024-11-20|HOME|