原子力空母ジョージ・ワシントン、横須賀に再配備

ブラックホークは短時間で浮上し、基地手前の海上の、かなり低空を周回飛行した後、飛び去った（24.11.22 星野 撮影）

原子力空母ジョージ・ワシントン（GEORGE WASHINGTON　CVN 73）が11月22日の朝、横須賀基地12号バースに入港した。

大規模整備工事のため米本国ワシントン州ブレマートンに戻ったロナルド・レーガン（RONALD REAGAN　CVN 76）に代わってやって来たG.ワシントンは、2008年から2015年まで原子力空母としては「初代」の横須賀母港艦だった。今回の横須賀配備はそれ以来の再配備ということになる。

11月22日の朝7時過ぎに浦賀水道に入ったワシントンは、7時40分頃には、吾妻島沖からも姿が見えるところまでやって来て、8時前には浦賀水道を抜けて横須賀基地に向かって突き進んできた。
錨地には巡洋艦ロバート・スモールズ（ROBERT SMALLS　CG 62）が番兵のように待機していて、G.ワシントンはその横を通り、横須賀基地に入った。

原子力空母の「代替わり」による配備継続に対して、ヨコスカ平和船団のヨットとボートが基地の手前の水域で抗議と兵士への呼びかけを行った。

ところで、ジョージ・ワシントンが横須賀に向けてサンディエゴを出港した日付について、発表されているデータに奇妙な食い違いがある。

ジョージ・ワシントンが8月22日に一旦サンディエゴを出港したことは既にこのHPに書いたが、その後、再びサンディエゴに戻っていた。そして、9月の後半にも再び出港し、9月23日にはＣＱ（Carrier Qualification：空母着艦資格訓練）を行っていた。
CQ終了後、9月28日にまたもサンディエゴ戻っていたが、10月1日に登舷礼を行ってワシントンは、サンディエゴのノースアイランド基地を出港した。
米軍画像サイトDVIDSも、10月1日に出港したことを報じる記事を掲載している。

ところが、10月18日、横須賀市は「外務省から、米海軍が別紙のとおり報道発表した旨、情報提供がありましたのでお知らせします」として、外務省から情報提供された文書を発表した。
その文書は、在日米海軍司令部による「NAVY NEWS RELEASE」と外務省の「仮翻訳」だが、そこには「ジョージ・ワシントンは10月8日に通常任務のためにサンディエゴから出港しました」などと書かれている。

10月1日の登舷礼を行ってサンディエゴ出港を報じたDVIDSの写真や記事と、サンディエゴを10月8日に出港したという在日米海軍の報道発表、このズレは一体何なのだろうか？

（ＲＩＭＰＥＡＣＥ編集部　星野 潔）

横須賀市報道発表HPに掲載された、10月18日付けの米軍の報道発表(上）と外務省の「仮訳」(下）の一部。どちらも10月8日にサンディエゴを出発したとしている。


米軍画像サイトDVIDSに複数掲載されている、G.ワシントンが10月1日に登舷礼を行ってサンディエゴを出港したことを報じる記事の一部。
どう見ても、10月1日、サンディエゴのノースアイランド基地を出港する際に登舷礼を行ったことになっている。
https://www.dvidshub.net/image/8672978/uss-george-washington-sailors-man-railsより引用

2024-11-24|HOME|