横須賀、武装兵士が基地外の公道上で市民を威嚇



4月27日、横須賀基地ゲート前に来た月例デモに対し、基地の外の歩道上に出て、小銃を見せてデモ参加者の市民を威嚇する米軍兵士。
4人の兵士の後ろにあるオレンジ色の線が、基地と公道の境界線だ。つまり、かれらは基地の外に立っているのだ(25.4.27 星野 撮影)


兵士の小銃には弾倉が取り付けられている。防弾チョッキには予備の弾倉が少なくとも2つ入っている(25.4.27 星野 撮影)


この兵士の銃にも弾倉が取り付けられており、やはり少なくとも2個の予備の弾倉も見える。腰には拳銃も。ここは基地の外の公道上だ(25.4.27 星野 撮影)


3月30日、月例デモの参加者がゲート前に到着すると、防弾チョッキを着て小銃を持って基地の外の歩道上に立つ米軍兵士がいた。
他の2人の防弾チョッキを着た兵士も、腰に拳銃を携行している。小銃を持った兵士が基地の外に出てくるようになったのは3月の月例デモからだ(25.3.30 星野 撮影)

横須賀では毎月最後の日曜日に、基地のない町を求めて「月例デモ」が行われている。
1976年からずっと続けられてきた、市民の小さなデモだ。
デモの道中、「よろずピースバンド」の演奏と歌が続き、シュプレヒコールの唱和もなく、参加者が思い思いのプラカードなどを持って歩く非暴力の穏やかなデモだ。

デモの途中、米軍横須賀基地のゲート前を通る時には、兵士たちや周囲の人びとに対して語りかける英語のスピーチも行われる。

しかし、ゲート前での米軍の対応が、今年の3月の月例デモから突如として大きく変化した。

3月の月例デモは3月30日に行われたのだが、デモ隊がゲート前に到着すると、防弾チョッキに身を固めて小銃を持った兵士1人を含む兵士4人が基地の外に出て、公道との境界線を越えた歩道上に立っていて、デモ参加者の市民を威嚇したのだ。

4月27日に行われた月例デモの時には、基地の外の歩道上で小銃を持って市民を威嚇する兵士は、2人に増えていた。

3月と4月の月例デモの時に基地の外に出て市民を威嚇した兵士の小銃には、弾倉が取り付けられていて、防弾チョッキには予備の弾倉も入っているのが見えた。
つまり、米軍基地の外の、市民生活の場である公道上であるにもかかわらず、兵士の判断でいつでも市民に向けて発砲ができる状態で銃を携帯し、市民を威嚇したのだ。

これまでもデモ参加者がゲート前にやって来た際に、数人の米兵が基地の外に出てくることはあった。
しかし、小銃を持った兵士が基地と道路の境界線を越えて外に出てくることは、なかった。

また、毎回の月例デモの時には、交通整理などのために複数の警察官が周囲の警戒にあたるが、当然、その警官たちは拳銃を携行などしていない。

約50年に渡って毎月行われてきた市民の小さな非暴力のデモに対して、突如として米軍は銃で威嚇をするようになったのだ。しかも、基地の外の公道で。

日本社会において、法に則って非暴力の活動をしていることが明白な市民に対して、米軍兵士が、基地の外の公道に出て小銃を持って威嚇するような暴挙は許されないはずだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


4月の横須賀月例デモを警備する警察官。もちろん、拳銃の携行などしていない(25.4.27 星野 撮影)

2025-5-16|HOME|