原子力空母ジョージ・ワシントンが出港、試験航海か
5月25日の午前10時40分頃、横須賀基地の12号バースを出港する原子力空母ジョージ・ワシントン。甲板上では登舷礼は行われていない(25.5.25 木元 茂夫 撮影)
出港するジョージ・ワシントンの艦橋付近の様子(25.5.25 木元 茂夫 撮影)
5月25日、日曜日の午前10時40分頃、原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀基地を出港した。
昨年、横須賀基地に再配備されて11月22日に入港し、12号バースに接岸して以来の出港だ。
出港の際に登舷礼は行われなかったので、試験航海への出港だろう。
ジョージ・ワシントンは、4月までは定期修理を行い、既に4月17日には、約束違反の放射性廃棄物入りコンテナの艦外への搬出と貨物船への積み込みを行っていた。
例年、横須賀基地で約束違反の動力装置の整備も含む定期修理を行った原子力空母は、約束違反の放射性廃棄物搬出を行った後1週間程度で試験航海に出発していた。
そのことを考えると、今年の試験航海への出発の「遅れ」は異例のことだ。
さらに、日曜日に試験航海に出港することも、異例のことだ。
試験航海に出るのが遅れた何らかの理由があり、他方で艦載機のFCLP(空母艦載機着陸訓練)が5月19日から31日までの予定で開始されたために、FCLP終了後10日以内に任務航海に出港した原子力空母の甲板上でCQ(空母着艦資格訓練)を行わねばならない都合上、もはやスケジュールに余裕が無くなったための、異例の日曜日出港ということではないか。
米海軍のニミッツ級原子力空母は、原子炉を2基積んだ「動く原発」だ。
万一横須賀で原子炉に関わる事故を起こせば、横須賀はもちろん、首都圏に壊滅的被害をもたらす危険な船だ。
米軍は、異例のかたちで原子力空母を試験航海に出港させた理由を誠実に説明するべきだ。
仮に船体のトラブルが理由ではなかったとしても、原子力空母の状況について隠し立てをせずに報告・説明をすることが、米軍の義務ではないか。
ところで、ジョージ・ワシントンは短期間の試験航海の後、一旦横須賀に戻ってきて、CQのスケジュールに間に合うように任務航海に出港するのではないか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
5月23日のジョージ・ワシントン。既に甲板上はほぼ片付いている状態だった(25.5.23 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)
2025-5-26|HOME|