横須賀に居座る原潜


横須賀基地13号バースに停泊する原子力潜水艦ツーソン(25.6.21 星野 撮影)



ツーソンのセイル(司令塔)の周囲には足場が設置されている(25.6.21 星野 撮影)


13号バースに停泊しているツーソンの、桟橋を挟んだ向こう側には12号バースに停泊している駆逐艦が見える(25.6.21 星野 撮影)


12号バースの駆逐艦ヒギンズ(右)と13号バースの原潜ツーソン(25.6.21 星野 撮影)

ロサンゼルス級原子力潜水艦ツーソン(TUCSON SSN 770)が横須賀基地に居座っている。

ツーソンは、6月1日に横須賀にやって来て13号バースに接岸した。外務省からの通知として横須賀市が発表した寄港目的は、「休養・補給・維持」だった。
その後、6月10日、原子力空母ジョージ・ワシントン(GEORGE WASHINGTON CVN 73)の出港の約5時間後に、後を追うように横須賀を出て行った。

ところが、6月13日、ツーソンは再び横須賀に姿を現し、13号バースに接岸した。
その後、6月21日に至るまで13号バースに停泊し続けている。
外務省からの通知として横須賀市が発表したツーソンの今回の寄港目的は、6月1日と同じ「休養・補給・維持」だった。

だが、一般的に考えて、現代の米原潜が、港を出てから3日間で休養や補給が必要になるはずはないだろう。市民を愚弄する発表だ。
それとも外務省は、米軍はそれほどまでにマヌケな組織だと言いたいのか。そんなマヌケな組織が原子力艦船を動かし、横須賀に寄港させていると言いたいのだろうか。

ツーソンが6月13日に横須賀に戻ってきたあと、遅くとも翌日には、セイル(司令塔)の周囲に足場が組まれていることが確認できた。
6月21日になってもまだ、セイル周囲の足場は組まれたままだった。
セイル周囲の足場は、6月3日には設置されていなかったものだ。
もしかしたら6月10日の出港後、ツーソンに何らかの不具合、あるいはメンテナンス上の問題があることが判明したのではないか。それで慌てて横須賀に戻ってきたのではないか。

これはあくまでも勝手な推測だ。
足場の設置が実際に不具合の発生を意味しているかどうかは全く分からない。だが、万一にも事故を起こせば大惨事につながる原子力艦船の問題だ。
出港後3日間ですぐに戻ってきて船体に足場を設置し、その後1週間以上も居座っているのはどうしてなのか。
もちろん、不具合が生じているわけでは無いならば、それに越したことはない。しかし、何しろ情報がない。
米軍や日本政府は、寄港理由を隠さずはっきりと説明するべきだ。そもそも危険な原子力艦船を寄港させるな。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


横須賀に戻ってきた翌日、6月14日のツーソンのセイルと後舵(赤丸で囲んだところ)。右側の赤丸で囲んだセイルをよく見ると、既に足場が組まれていたことが分かる(25.6.14 星野 撮影)


2025-6-22|HOME|