原潜、横須賀基地に2隻同時に滞在


7月1日、横須賀基地の12号バースに入港した原潜サンタフェ。大型クレーンの足下にセイル(司令塔)が見える(25.7.1 木元 茂夫 撮影)


同じ7月1日、13号バースには、6月13日から停泊中の原潜ツーソンの後舵が見えた(25.7.1 木元 茂夫 撮影)

7月1日、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦のサンタフェ(SANTA FE SSN 763)が横須賀基地に入港した。
外務省からの横須賀市への通知では、寄港目的は「休養・補給・維持」だということにされている。

サンタフェは3月21日に母港のサンディエゴを出港し、西太平洋海域に出張ってきて、第7艦隊傘下で任務航海に就いていたようだ。5月及び6月半ばにはグアムに寄港している。

攻撃型原潜が横須賀に入港する際の「指定席」は13号バースだが、サンタフェが横須賀にやってきた7月1日には、既に13号バースにはロサンゼルス級攻撃型原潜のツーソン(TUCSON SSN 770)が入っていた。
このHPの別の記事で報告したように、6月1日に横須賀にやって来たツーソンは、6月10日に横須賀を出港したものの6月13日に戻ってきて、何らかの緊急修理とみられる工事を13号バースで受けていた。
そのため、サンタフェは13号バースではなく、通常は原子力空母や巡航ミサイル原潜が停泊する12号バースに入った。
13号バースにいたツーソンは、7月3日まで横須賀に滞在し、横須賀を出た後は寄り道せずにグアムに向かったようだ。
他方、サンタフェは7月7日まで滞在した。

つまり、7月1日から3日にかけて、横須賀基地には2隻の原子力潜水艦が同時に滞在していた。

原子力空母が横須賀に停泊している時に原潜が寄港し、原子力艦が横須賀に2隻同時に滞在するということは(残念ながら)珍しいことではないが、原潜が2隻同時に横須賀基地内のバースに停泊したのは2015年12月以来、10年ぶりだったようだ。
港内での同時停泊とは別に、原潜が13号バースに滞在している時に、別の原潜が沖合の錨地にやって来て短時間沖泊まりしたことは、この間にも数回あったのだが。

今回、約10年ぶりに米軍が原潜を横須賀に2隻同時に滞在させた直接の原因としては、ツーソンのイレギュラーな横須賀への寄港と修理が長引いたという事情があったのではないだろうか。

とはいえ今回を契機として、米軍が今後再び頻繁に複数の原潜を横須賀に同時に滞在させるようになる可能性もゼロではない。
実は、横須賀を原子力空母の母港にするよりも前、20年ほど前までは、米軍は頻繁に、横須賀に複数の原潜を同時に滞在させていたのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)



7月3日まで横須賀基地13号バースに滞在し、何らかの修理と見られる工事を行っていた原潜ツーソン(25.6.29 星野 撮影)


2025-8-10|HOME|