原子力空母の放射性廃棄物運搬業務の契約情報、公表される

米連邦政府の業務公告サイトSAM.GOVに掲載された、原子力空母からの放射性廃棄物の運搬業務とみられる契約情報。
契約を結んだのは、フェデレイテッド・マリタイム合同会社だ。

フェデレイテッド・マリタイム社が保有する米国船籍の貨物船「アライド・ブルックリン」。
2024年12月29日、横浜ノースドックで通信機能強化型の陸軍ストライカー装甲車を積み込んでいるところ。
この装甲車は、同年12月に行われた日米豪合同軍事演習「ヤマサクラ87」で使用された(24.12.29 星野 撮影)
今年も横須賀基地の12号バースで原子力空母ジョージ・ワシントン(GEORGE WASHINGTON CVN 73)の定期修理で行われている。
定期修理では約束違反の動力装置の整備も行われているようだ。
既に当HPで報告したように、横須賀基地から米国ワシントン州ブレマートンのピュージェットサウンド海軍造船所に放射性物質入りのコンテナなどを運ぶ業務の入札公告が、今年1月29日、米連邦政府の業務公告サイトSAM.GOVに掲載された。
定期修理で原子力空母の動力装置の修理を行っているからこそ、放射性廃棄物が発生してしまうのだ。
同業務の入札に参加する業者の公募は2月5日に締め切られていたが、このほど2月20日付けで契約情報がSAM.GOVに掲載された。
それによると、契約業者はフェデレイテッド・マリタイム合同会社(FEDERATED MARITIME LLC)だ。
契約総額は224万3662.44ドル。1ドル=156円として計算するならば、約3億5000万円だ。
フェデレイテッド・マリタイム合同会社HPの「Who We Are」には、同社は「2016年に設立され、フロリダ州ボカラトンに本社を置き、米国政府機関の顧客向けに海上輸送、統合物流、海事サービスを提供して」いること、そして、同社の「コアコンピタンス(引用者註:他社にない、自社の強み)は、国際的に取引されている商用船舶を、本質的に軍事的に有用な能力を持つものとして取得し、米国船籍に再登録すること」であること、などが書かれている。
軍を中心とする米国政府機関の業務を行うことが目的の会社、ということだろう。
また、同社HPには、同社の保有する船舶として、アライド・ブルックリン(ALLIED BROOKLYN)とアライド・パシフィック(ALLIED PACIFIC)の2隻が紹介されている。
しかし、この2隻のうちアライド・パシフィックはタンカーだ。
ということは、貨物船アライド・ブルックリンが、今年の横須賀からピュージェットサウンドまでの放射性廃棄物運搬船だということなのだろうか。
確かにアライド・ブルックリンは、これまでも米軍の軍事輸送業務に使われてきた米国船籍の貨物船だ。
2024年の年末には横浜ノースドックに入港し、同年12月2日から14日にかけて相模総合補給廠で行われた日米豪共同指揮所演習「ヤマサクラ87」で使用された、第1軍団の装甲車などの車両や資材を積み込んで米国のタコマ港まで運んでいる。
AIS(船舶自動識別装置)の情報によると、アライド・ブルックリンは昨年12月31日から現在に至るまで、米西海岸最大の軍港であるサンディエゴに停泊している。
今年の放射性廃棄物運搬船の、横須賀基地への入港可能期間すなわちLAYDAYS は、4月8日から4月10日までだ。
この時期に間に合うように、貨物船アライド・ブルックリンは横須賀にやって来るのだろうか。
それとも、実は別の貨物船を、フェデレイテッド・マリタイム社は用意しているのだろうか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

2月22日の原子力空母ジョージ・ワシントン。横須賀基地の12号バースで定期修理中だ(26.2.22 星野 撮影)
2026-2-26|HOME|