駆逐艦マスティン、横須賀再配備


3月23日、横須賀基地に入港する駆逐艦マスティン
米軍画像サイトDVIDS記事「USS Mustin (DDG 89) Returns to Forward-Deployed Naval Forces in Yokosuka [Image 4 of 15]」より引用
https://www.dvidshub.net/image/9578624/uss-mustin-ddg-89-returns-forward-deployed-naval-forces-yokosuka


接岸態勢に入るマスティン。右には原子力空母ジョージ・ワシントン、左には駆逐艦ラルフ・ジョンソン。
米軍画像サイトDVIDS記事「USS Mustin (DDG 89) Returns to Forward-Deployed Naval Forces in Yokosuka [Image 9 of 15]」より引用
https://www.dvidshub.net/image/9578629/uss-mustin-ddg-89-returns-forward-deployed-naval-forces-yokosuka


マスティンが接岸したのは9号バースだ。マストや艦橋と煙突の最上部が見える(26.3.23 星野 撮影)

横須賀基地への再配備が発表されていた駆逐艦マスティン(MUSTIN DDG 89)が3月23日、横須賀に入港した。

2006年から21年まで15年に渡って横須賀基地に配備されていた同艦の入港は、21年4月以来、約5年ぶりとなる。

マスティンは2021年に横須賀からサンディエゴに移動したあと、22年6月にBAEシステムズのサンディエゴ造船所に入り、大規模な「近代化」工事を受けていた。


米連邦政府の業務入札公告情報サイト「SAM.GOV」に2021年10月20日付けで掲載された、マスティンの改修工事請負業者の入札公告の修正版

国防総省(戦争省)の2022年3月28日付け契約情報(「Contracts For Mar. 28, 2022」)によると、工事を受注したBAEシステムズ社の受注金額は8943万2169ドル。契約に含まれている全てのオプションを行使すると9520万1563ドルに達する契約だった。

また、BAEシステムズ社の2022年4月5日付け発表(「modernize the destroyer USS Mustin」)によると、その工事内容は「ドック入り、船体下部の防錆処理、機関室の改修、指揮統制機器のアップグレード、乗組員居住区の改修」だった。

マスティンの横須賀再配備にかんする3月23日付けの米海軍の報道発表には、「マスティンは米国で大規模な近代化改修を完了。戦闘能力を強化するとともに、艦および乗組員は共に刻々と変化する地域の課題に対応できる体制を整えました」とあるだけで、具体的にどのような改修工事を行ったのかについての説明はないが、入港した同艦のマストからは確かにレーダーなどのアップグレードや新設が行われたことがうかがえる。


改修工事前のマスティン。2020年2月、横須賀基地にて。マストに注目(20.2.23 星野 撮影)


3月23日のマスティンのマスト。○をつけたところは、2020年の写真と比べて装置が入れ替わったり新設されたりしたと見られるところ。
ただし、詳細に見ればもっと他にも存在する可能性がある(26.3.23 星野 撮影)
赤丸のところは、AN SPS-73(V)18レーダーが設置されたように見える。このレーダーは、「次世代対水上捜索レーダー」と呼ばれるものだ。
青丸のところはAN SPQ-9Bのようだ。低高度や水上の目標を捕捉・追尾するレーダーで、海自の「あたご型」「まや型」イージス艦にも搭載されている、

今回の違法なイラン攻撃でも明らかなように、イージス艦は「ミサイルの移動発射基地」としても使われる先制攻撃兵器だ。
改修工事を行ってその装備をバージョンアップさせた艦船を配備することは軍拡競争を激化させ、さらなる緊張と衝突の危険性を高める帰結を招きこそすれ、緊張を弱めて軍縮への流れを生み出すことにはつながらない。
「ミサイル防衛」装備のアップグレードも市民の安全をもたらすものでははなく、多くの人びとの生活を犠牲にして軍産額複合体にカネを流し込んで、せいぜい戦争への引き金を軽くするだけのものでしかない。

非核市民宣言運動・ヨコスカはマスティンの入港当日、基地のゲート前でプラカードを掲げて再配備への抗議の声を上げた。

なお、マスティンは、2015年から横須賀に配備されていた巡洋艦ロバート・スモールズ(ROBERT SMALLS CG 62)の後継艦だと米軍は発表しているのだが、そのロバート・スモールズは3月26日の時点ではまだ、横須賀から出港していない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)



3月23日、マスティンの再配備に抗議するプラカードを基地の前で掲げる、非核市民宣言運動・ヨコスカ(26.3.23 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)


2026-3-27|HOME|