原子力空母、横須賀で放射性廃棄物を艦外に搬出

4月15日、原子力空母ジョージ・ワシントン(右)から搬出され、クレーンに吊り下げられて貨物船アライド・ブルックリン(左)に運ばれる放射性廃棄物入りコンテナ(26.4.15 星野 撮影)

ヨコスカ平和船団は、放射性廃棄物の艦外搬出と貨物船への積み込み作業の監視を行った(26.4.15 星野 撮影)
4月15日、横須賀基地で原子力空母ジョージ・ワシントン(GEORGE WASHINGTON CVN 73)の定期修理で排出された放射性廃棄物を搬出し、クレーンで吊って貨物船アライド・ブルックリン(ALLEIDE BROOKLYN)に搬入する作業が行われた。
米海軍は当初、16日に作業を行うと発表していたが、4月13日になって「天候の影響」を理由に作業日を1日前倒しして15日に行うことを発表していた。
4月15日の午前9時過ぎには空母のエレベーター部分に1つめのコンテナが艦内から引き出されて大型クレーンで吊り上げる作業が開始された。
1月29日に発表された今回のコンテナ搬出業務にかんする米連邦政府の入札公告によれば、貨物船に積み込むのは20フィートISOコンテナ少なくとも6個であり、6個のコンテナのうち4個は「クラス7」及び「クラス8」の危険物質(hazardous material)ということだった。「クラス7」の危険物質とは放射性物質であり、「クラス8」とは腐食性物質だ。
15日の作業終了後の防衛省南関東防衛局から横須賀市への「情報提供」によれば、艦外に出されて貨物船に積み込まれた放射性廃棄物入りコンテナは3個であり、作業は午前9時07分に開始され、午前10時43分に終了した。
ヨコスカ平和船団はヨットで海上から作業の監視を行った。
原子力空母から搬出された1個目のコンテナには、放射性物質が入っていることを示す表示は貼り付けられていなかったが、2個目のコンテナには「UN2910」の表示が貼り付けられていた。この表示は、放射性物質の入った「L型輸送物」であることを示している。
コンテナの吊り上げ、移送作業に従事する労働者は、ヘルメットをかぶってはいたが皆軽装だったことが気になった。
ことさらに放射性物質を「何でもないもの」として軽んじ、万一の事態に備えた防護の服装を準備することが臆病なことであるかのように侮蔑にする、「マッチョ」で危険な雰囲気は醸成されてはいなかっただろうか。軍の幹部はそうした雰囲気をつくろうとしてはいないだろうか。
そもそも米軍の原子力艦の放射性物質を日本で艦外に搬出することは、日米両政府が1964年8月にまとめた覚書「エード・メモワール」に違反する行為だ。「エード・メモワール」で日米両政府は、日本に寄港する米軍の原子力艦船の動力装置の修理も、放射性廃棄物の艦外への搬出も、日本国内では行わないと約束しているはずだ。
4月15日には、ヨコスカ平和船団による海上からの監視行動が行われたほか、安針台公園からも市民の監視行動が行われ、軍港に面したヴェルニー公園でも、横断幕を掲げて市民が抗議を行った。
15日の午前中に放射性廃棄物入りコンテナなどを積み込んだ貨物船アライド・ブルックリンは、午後には横須賀を出港した。AIS(船舶自動識別装置)に表示された情報によれば、目的地は米国ワシントン州のブレマートンだ。
定期修理によって排出された放射性廃棄物を艦外に搬出した原子力空母は、遠くない時期に試験航海を行い、一旦横須賀に戻ってきた後、本格的な任務航海に出発することになるはずだ。
中東で国際法に違反してイランを攻撃し、この地球を破壊し、人びとを殺戮する任務に横須賀から出撃することになるのだろうか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

午前9時過ぎ、1個目のコンテナの艦外搬出と大型クレーンでの吊り上げが開始された(26.4.15 星野 撮影)

貨物船アライド・ブルックリンの船倉に搬入される1個目のコンテナ(26.4.15 星野 撮影)

原子力空母から搬出された1個目のコンテナ。放射性物質入りであることを示す表示は見当たらなかった(26.4.15 星野 撮影)

原子力空母の飛行甲板から平和船団を見下ろす武装兵士。小銃を体の前にさげている(26.4.15 星野 撮影)

2個目のコンテナが空母のエレベーター部分に引っ張り出されてきた。労働者はヘルメットをかぶっているが、皆軽装だ(26.4.15 星野 撮影)

コンテナの上部にクレーンで吊るための装置が取り付けられた(26.4.15 星野 撮影)

コンテナの吊り上げがはじまった(26.4.15 星野 撮影)






クレーンに吊り下げられて、原子力空母から貨物船へとコンテナが運ばれていく(26.4.15 星野 撮影)

搬出された2個目のコンテナ。放射性物質入りであることを示す「UN2910」の表示が貼り付けられている(26.4.15 星野 撮影)

4月15日の午後、横須賀を出港し東京湾を南下していく貨物船アライド・ブルックリン(26.4.15 星野 撮影)
2026-4-16|HOME|