原子力空母Gワシントン横須賀を出港、試験航海か

5月10日、横須賀基地を出る原子力空母ジョージ・ワシントン(26.5.10 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)

5月10日午前10時過ぎ、12号バースを離れて動き出したジョージ・ワシントン(26.5.10 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)

基地の外に向かうジョージ・ワシントン(26.5.10 木元 茂夫 撮影)

艦首部の飛行甲板上に多くの乗組員が集まっているが、登舷礼を行っているわけではない(26.5.10 木元 茂夫 撮影)

艦の後部にも人が並んでいるが、登舷礼ではない(26.5.10 木元 茂夫 撮影)

カタパルトの遮蔽板(ジェット・ブラスト・ディフレクター)が立てられている。白い車両はクラッシュ・クレーンと呼ばれる巨大クレーン車(26.5.10 木元 茂夫 撮影)

方向転換をしたジョージ・ワシントン(26.5.10 木元 茂夫 撮影)

基地の外に出てきた原子力空母(26.5.10 ヨコスカ平和船団 撮影)

基地の沖を進む原子力空母ジョージ・ワシントン(26.5.10 ヨコスカ平和船団 撮影)

金田湾の沖を進む原子力空母(26.5.10 星野 撮影)


狭く、交通量の多い難所だ(26.5.10 星野 撮影)

足早に東京湾を出て行く原子力空母ジョージ・ワシントン(26.5.10 星野 撮影)
5月10日の午前10時過ぎ、原子力空母ジョージ・ワシントン(GEORGE WASHINGTON CVN 73)が横須賀基地を出港した。
出港の際、とりわけ船首近くの飛行甲板上に多くの乗組員が立っているのが確認されたが、登舷礼を行っていたわけではなかった。
今回の出港は定期修理終了後の試験航海なのだろう。
Gワシントンは今年初めから横須賀基地で定期修理に入っていたが、すでに4月15日にはその定期修理で排出された放射性廃棄物を入れたコンテナを艦外に搬出して貨物船に積み込むという約束違反の行為を行っていた。
放射性廃棄物が搬出されたということは定期修理がほぼ終わったことを示していて、以前はその搬出後せいぜい1週間程度で試験航海に出港するのが、横須賀を母港とする原子力空母の「通例」となっていた。
しかし、昨年は搬出から試験航海への出港まで1ヶ月以上も間が空いていた。
今年は1ヶ月まではかからなかったが、放射性廃棄物の搬出後12号バースから出港するまで昨年同様にかなり時間がかかった。
原子力空母の定期修理終了後の行動日程のマニュアルを、米軍は昨年から変更したのかもしれない。
また今回、ワシントンは、12号バースを離岸して浦賀水道に入り、東京湾を出て行くまでの間、一度もAIS(船舶自動識別装置)をオンにしなかった。異例のことだ。
これまでは、原子力空母ジョージ・ワシントンといえども東京湾を通過して横須賀基地を出入りする際には、AISをオンにして位置情報を発信するのが通例だったはずだ。
それは、巨大船として船舶交通量の激しい東京湾を通過する際の、当然の安全確保策だったはずだ。
それが今回、敢えてAISをオフにしたまま東京湾を通過したのは、米軍にとって現在は戦時下だから、ということではないか。
米軍にとっての戦時下においては、東京湾を行き交う民間船の交通の安全よりも、自分たちの行動の秘匿性を優先するということではないか。
さらに、数年前には、原子力空母が横須賀基地で定期修理を終えて試験航海に向かう際に、三浦海岸の金田湾沖で、停止状態になってジェット・ブラスト・ディフレクターを上げ下げしたり、船体の向きを変えて三浦海岸側に接近したりするなど、それはそれで交通量が多く狭い場所での振る舞いとしては非常に危険なことを行うことがあったが、今回はそうしたことを一切行わずに足早に金田湾沖を通過して、昼頃には東京湾の出口付近に到達し、出て行った。
AISをオンにしないままだったことを考え合わせるならば、これも、原子力空母が民間船の安全に配慮して行動するようになったということではなく、戦時下の今、狭い東京湾の出口付近で万一にも陸地から攻撃を受けないようにするためだったのではないか。
ワシントンが急いで出て行った東京湾の外の伊豆大島東側付近には、前日の5月9日に横須賀基地を出港していた巡洋艦ロバート・スモールズ(ROBERT SMALLS CG 62)が待機していたようだ。
同艦は5月5日から7日にかけて横須賀沖の錨地で弾薬を積み込み、一旦基地内に戻ったあと、9日に出港していった。
ロバート・スモールズの今回の出港は、丸腰で試験航海をする原子力空母の護衛艦を担うためのものだろう。
ロバート・スモールズは、本来であれば今年3月に横須賀に再配備された駆逐艦マスティン(MUSTIN DDG 89)と入れ替えに、横須賀配備から外れて出て行くとされている巡洋艦だ。
米軍が違法なイラン攻撃を開始して、安保条約第6条の規定を無視して横須賀からも次々と駆逐艦を出撃させていく中、同艦を引き続き横須賀に居座り続けさせているのは、横須賀基地が「手薄」となった状況に「対応」するためということではないか。
ところで、ジョージ・ワシントンの艦載機について、5月7日から17日までの予定でFCLP(Field Carrier Landing Practice:空母艦載機離着陸訓練)を硫黄島で行うことがすでに発表されている。天候または不測の事態の際には三沢や横田、厚木、岩国で実施することも含めての発表だ。
FCLPは、空母が任務航海に出る前に艦載機のパイロットが行わなければならない訓練だ。
したがって、この訓練が終わらなければ実質的には空母も任務航海に出ることはできない。
FCLPが終わる頃までにジョージ・ワシントンは一旦横須賀に戻ってきて、その後、再び出港して日本近海でCQ(Carrier Qualifications:空母着艦資格訓練)を行い、そのまま任務航海に出ていくことになるのだろう。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

5月5日から7日にかけて、横須賀基地沖の錨地で弾薬の積み込みを行った巡洋艦ロバート・スモールズ(26.5.7 星野 撮影)

米軍が5月7日から17日までの日程でFCLPを実施するという、防衛省の「お知らせ」
2026-5-11|HOME|