「オリエント・シールド」演習で米軍の弾薬を輸送した海自輸送艦、横須賀寄港


9月17日の夕方から18日の午後にかけて海自横須賀基地に寄港した、自衛隊海上輸送群の輸送艦「にほんばれ」(26.9.18 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)

9月17日の夕方、自衛隊海上輸送群の輸送艦「にほんばれ」が海上自衛隊横須賀基地に入港し、逸見岸壁に接岸した。

今回の「にほんばれ」は、日米豪合同軍事演習「オリエント・シールド26」の一環の「共同輸送訓練」で米軍の弾薬を海自呉基地から釧路港まで運び、その帰途の横須賀寄港だった。

「にほんばれ」は、9月7日に定係港の神戸を出港し、9月8日に海自呉基地で米軍の弾薬をクレーンで積み込み、9月13日に釧路西港に入港した。呉で積み込んだ弾薬は、米軍の広弾薬庫から陸送されたものだとされている。
「にほんばれ」が釧路に運んだ弾薬は陸路で矢臼別演習場に運ばれて、実弾射撃演習に使用されたものとみられる。矢臼別での実弾射撃演習も、「オリエント・シールド26」演習の一環だ。

釧路で米軍の弾薬を陸揚げした後、「にほんばれ」は9月15日の朝に同港を出港し、17日の午後に横須賀にやって来た。
横須賀を9月18日の夕方に出港した後、20日に神戸に帰港している。

横浜ノースドックから苫小牧へと米軍の車両を運んだ輸送艦「ようこう」と同様に、「にほんばれ」も、「オリエント・シールド26」で米軍の輸送艦の代わりに米軍の輸送を担う訓練をした、ということになる。
米軍にとっては、米軍に従順な自衛隊の最新の輸送艦を自分たちの輸送手段として使う選択肢ができるのであれば、結構なことではあるのだろう。

なお、「にほんばれ」に自衛隊が付与している艦種記号は「LCU」(Landing Craft Utilityの略)、すなわち「揚陸艇」だ。
しかし、その「LCU」の艦種記号の「本家」の米軍LCUと自衛隊の「LCU」の実態は、実は大きく異なるものになっている。

米陸軍のラニーミード級LCUは、全長約53メートルで、「満載排水量」は1102トンとされている。そもそも1980年代後半に発注され、建造が進められたLCUだ。引き続き使用するものには近年、改修が行われているとはいえ、かなり古参になった揚陸艇だ。

それに対し、「にほんばれ型」輸送艦は全長約80メートルで、公表されている「基準排水量」は2400トンだ。米陸軍のフランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦の6番艦まで(全長83メートル)とほぼ同じ大きさで、「基準排水量」2000トンの「あぶくま型」護衛艦よりも重い。
公表されている重さの単位は異なるが、「にほんばれ型」と「ラニーミード級」揚陸艇の重さはだいぶ違うはずだ。おそらく運搬能力にも違いがあるだろう。

自衛隊海上輸送群のLSV(兵站支援艦)「ようこう」よりは小さいが、米陸軍のLSVとほぼ同じ大きさで、護衛艦よりも重い輸送艦「にほんばれ」を揚陸「艇」に分類するのは、どう見ても間違っている。

にもかかわらず防衛省には、この「にほんばれ型」となる輸送艦の建造予算の計上を「小型級船舶(LCU)」という名目で開始した経緯がある。出来上がった「にほんばれ」型輸送艦は、一体どこが「小型級」なのかという代物になったのだが。

この、「小型級船舶(LCU)」という名目で建造予算を獲得してきたことと辻褄を合わせるためというのが、「小型」とは言えない「にほんばれ型」の揚陸艦に「LCU」の艦種記号を付けている理由の、少なくとも一つではあるのだろう。

実態とかけ離れた艦種記号を付与して取り繕ったつもりになっている防衛省・自衛隊は、旧日本軍の「大本営発表」への反省も、かなぐり捨ててしまったのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


9月8日、海自呉基地で米軍の弾薬を積み込む「にほんばれ」。
防衛省 陸上自衛隊公式X(旧ツイッター)より引用
https://x.com/JGSDF_pr/status/2097626076495405204/photo/2


9月8日、呉基地で輸送艦「にほんばれ」に積み込まれた、米軍の弾薬の入ったコンテナ。
防衛省 陸上自衛隊公式X(旧ツイッター)より引用
https://x.com/JGSDF_pr/status/2097626076495405204/photo/3


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