呉配備の音響測定艦「はりま」、横須賀に寄港


横須賀長浦港に停泊する音響測定艦「はりま」。右側の青白の船は浚渫作業船(26.9.15 木元 撮影)

9月14日、横須賀に呉から音響測定艦がやってきた。
かなりめずらしいことである。ひょっとしたら初めてのことかもしれない。
「音響測定艦」は、特殊なソナーを搭載し、相手国の潜水艦の音を収集することを任務とする。収集された音(音紋)は分類され、潜水艦の識別に使用される。
海上自衛隊には音響測定艦が4隻配備されているが、その建造時期は大きな開きがある。

1番艦ひびき5201 1991年就役
2番艦はりま5202 1992年就役
3番艦あき  5203 2021年就役
4番艦びんご 5204 2026年就役

満載排水量3800t、全長67mで小型の艦艇である。
3番艦「あき」は29年ぶりの建造であるが排水量が50トン増加しただけで、双胴型の船体など外観上の変化はない。曳航式ソナーの高性能調音装置SURTASS(Surveillance Towed Array Sensor System)も型式は同じだが、性能はアップしているかもしれない。
3、4番艦の建造は2010年代に入ってからの中国の潜水艦の急増への対応であろう。

ただ、29年の間、海自の潜水艦探査技術は停滞していたわけではない。
この間に建造された、イージス艦、護衛艦には曳航式ソナーを装備しているものもある。2007年に就役した「あたご」、「あしがら」、2020年に就役した「まや」、「はぐろ」は、ハル・ソナー(艦首部のソナー)、曳航式ソナー、ソノブイ信号処理装置が統合されたSQQ-89ソナー・システム(米ロッキード・マーチン社製)を搭載している。

中国も2018年から19年にかけて3隻の音響測定艦を建造した。満載排水量5000トン、全長90mで日本のものより一回り大きい。

2025年9月、「米海兵隊との実動訓練(レゾリュート・ドラゴン25)」が9月11日から25日までの約2週間にわたって実施された。
その最中の9月21日、22日、「あき」が沖縄島の名護湾で活動しているのが確認され、地元の「沖縄タイムス」「琉球新報」が大きく報道した。防衛省の訓練広報には「自衛艦隊等」とあるだけで、「音響測定艦」の文字はない。訓練の一環として名護湾にいたのか、たまたまなのか、はっきりしたことはわからない。

「はりま」は9月16日に横須賀を出港したが、9月29日現在、呉にもどっていない。
マリントラフィックで検索すると、以下のとおり。マリントラフィックは艦艇の航行を100%反映するわけではないので、参考数値として見て欲しい。

「ひびき」5月25日呉出港 → 9月29日呉錨地に帰着
「びんご」8月9日呉出港 → 航海中
「あき」9月5日呉出港 → 9月22日呉帰港

音響測定艦に限らず、海自艦艇の行動は日米共同訓練や一般公開などの情報は公開されるが、海自単独の訓練は、基本的に公開されないが、音響測定艦の行動は特に謎につつまれている。

(木元 茂夫)




音響測定艦「ひびき」。艦尾に突き出しているのは曳航式ソナーの降下装置か。2024年5月20日、呉で撮影(24.5.20 木元 撮影)


音響測定艦「あき」。2024年5月20日、呉で撮影(24.5.20 木元 撮影)


米海軍音響測定艦の曳航ソナー用ウィンチ。海自の音響測定艦は艦内に格納しているようだ(24.4.26 木元 撮影)




2026-10-11|HOME|