米海軍のコロナ対策を横須賀から見る(1)

決め手は2週間の行動規制?


横須賀基地12号バースに停泊中の原子力空母ロナルド・レーガン。飛行甲板はひっそりと片付いている(2020.4.15 頼 撮影)

4月15日、塚山公園から見下ろした横須賀基地には、原子力空母ロナルド・レーガンが巨体を横たえていた。飛行甲板はきれいに片つけられていて、人っ子一人とは言わないが3人ほどしか見えないくらい人気がなかった。

ロナルド・レーガンの定期修理中は飛行甲板に置かれている、プレハブの作業小屋も見当たらず、艦上でのハンドリング訓練用のホーネットの「抜け殻」だけが、飛行甲板後部に置かれている。

空母の乗組員たちはどこにいったのだろうか?

4月9日付けの星条旗新聞によれば、この日、海軍兵士が横田基地に送り込まれた。兵士たちは横田基地内で厳しい移動制限のもと、少なくとも14日間を過ごす、とのことだ。第7艦隊のフェイスブックへの投稿によれば、これらの水兵のうちの何人かは、来るべき任務航海の前にいくつかの米軍基地内で隔離される、という。

横田基地内に昨年建てられたタワー住宅は臨時の宿舎で、演習中や緊急事態にも対応できる。水兵たちは基地内の住宅から離れた場所で24時間モニターされ、外部への健康上のリスクはない。第7艦隊の第70任務部隊(空母レーガンも含まれる)は6日、任務航海前の兵士の隔離を、いくつかの在日米軍基地に分散して実行する、と述べている。(ここまで、9日付け星条旗新聞より)

また、4月13日付けの星条旗新聞は、第70任務部隊司令部によれば1000人以上のレーガンと随伴艦の水兵が、任務航海に出港する前の14日間の隔離のために、4日前に横田基地と厚木基地にバスで送られた、と報じている。14日経過後に鼻の粘膜から検体を採取して、ウィルスの有無を判定する。このプロセスに2,3日かけたあと、ウィルス・フリーとなったわがチームはレーガンに乗り込む、と第70任務部隊司令部は言う。(ここまで、13日付け星条旗新聞より)

コロナウィルスへの感染が空母などの艦内で広まれば、兵士の命をまもるために任務航海を中断して港に入り、兵士全員の検査と感染者の入院が必要になる。空母が航海を続けられなければ、米国の軍事支配体制に大穴が開く。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


横田基地は大型機が離着陸する軍事輸送拠点だが、基地内に軍人・家族が住む米軍住宅も多数建てられている


2020-4-20|HOME|