また2隻交代、横須賀基地さらに強化へ


駆逐艦と交代して本国に帰るフリゲイト艦バンデグリフト(右)。撮影日の1月前まではミサイルランチャーを装備していた
左は既に横須賀を去り、本国に戻って退役した駆逐艦オブライエン(2004年4月2日 撮影)

巡洋艦チャンセラーズビルとフリゲイト艦バンデグリフトが交代して本国に戻ると、4月7日付けで在日米海軍が発表した。チャンセラーズビルと交代するのは巡洋艦シャイロー、バンデグリフトと交代するのは駆逐艦マスティンだ。

シャイローが最新のミサイル防衛(MD)システムを備えて横須賀にやってくることは、既に太平洋艦隊司令官が公の席でスピーチしている。今回の発表ではっきりしたのは、交代艦がチャンセラーズビルで、時期が8月になること、シャイローがMD用の迎撃ミサイルSM−3を装備するということだ。

9月には、フリゲイト艦が最新型のイージス駆逐艦と交代する。横須賀基地の戦力強化は明らかだ。
ニュースリリースの中で「前方展開している艦船は、新しい、より強力な艦船に交代させていくのが米海軍の長期計画だ」と述べている。横須賀の常駐艦の交代が戦力強化の歴史であったこととぴったり符合する。

今横須賀に配属されているフリゲイト艦2隻は04年3月までに対空ミサイル発射機を撤去されている。ペルシャ湾での臨検にはそれでも十分なのだろうが、単独で艦船を護衛する能力はなくなった。
もともとフリゲイトは米海軍の中で退役や予備軍移管が進み、トルコやエジプトなどへ売却もされている。維持にカネをかけるよりは新鋭駆逐艦を造って置き換えていくというのが、米海軍の長期戦略だろう。

マスティンはアーレイバーク級駆逐艦の中でも最新のフライトUAに属する。昨年9月に横須賀に配備されたラッセンと同型だが、ラッセンよりも2年以上遅い2003年7月に就役した新しい船だ。
横須賀に配備されるイージス駆逐艦は、MD対応であることが予想されるが、ラッセンとマスティンについては、探索だけではなくSM−3を配備して迎撃ミサイル発射の役割も持たせるのではないだろうか。
最近のラッセンの改修工事を見ているとそんな気がする。(この件は別項で触れたい)

(RIMPEACE編集部)

[参考]
06.4.7 NAVY NEWS RELEASE


交代後の戦力の強化は船の大きさからも見て取れる。左はマスティンと同型のラッセン。
右の2隻がフリゲイト。バンデグリフトは右端(2006年2月10日 撮影)


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