オスプレイの生産ライン、閉鎖へ


今年2月、米連邦政府の契約情報サイトSAM.govに掲載されたV-22オスプレイの生産ラインの閉鎖を支援する業務の情報
(米連邦政府の契約情報サイトSAM.govより引用)


上掲のV-22オスプレイの生産ライン閉鎖支援業務の内容。CMV-22、CV-22、MV-22の生産ラインの閉鎖が明記されている
(米連邦政府の契約情報サイトSAM.govより引用)

今年2月、米連邦政府の契約情報サイトSAM.govに「Non-Recurring Engineering (NRE) to support the V-22 Production Line Shut Down」というタイトルの公告が掲載された。

この公告の内容は、文字通りV-22オスプレイの生産ラインの閉鎖を支援する非反復エンジニアリング(NRE)業務の情報だ。
公告によれば、この業務は競争入札を行わずにベル・ボーイング共同事業体に発注された。

SAM.govのwebページ上で閲覧できる記述を読む限りでは、この業務の期限にかんする情報は見当たらないが、閉鎖するV-22オスプレイの生産ラインとは、米軍のオスプレイのすべて、つまり海軍CMV-22オスプレイ、空軍CV-22オスプレイ、海兵隊MV-22オスプレイの生産を行うラインだ。
つまり、米軍はオスプレイの新規生産を終えようとしているのだ。

2023年3月に米国防総省会計検査担当国防次官・最高財務責任者オフィス(OFFICE OF THE UNDER SECRETARY OF DEFENSE (COMPTROLLER)/CHIEF FINANCIAL OFFICER)が発行した「FY 2024 Program Acquisition Costs by Weapon System」にも、オスプレイの新規調達計画は提示されていない。
他方で、2024会計年度のプログラムとして、オスプレイの生産ライン閉鎖のための資金準備が挙げられている。

2023会計年度以前に決定された調達プログラムに基づいて2023年前半に製造契約が結ばれた海軍CMV-22オスプレイの生産はまだ続けられているようだが、他の米国防総省予算資料を見ても、2024会計年度以降のオスプレイの新たな調達計画は無いようだ。
米軍がオスプレイの新規調達を終えようとしていることは明らかだ。

陸上自衛隊が購入してしまった17機ものオスプレイのうち現時点で日本に配備されているのは14機で、残りの3機は2023年12月1日現在で所在不明な状況だが、既に米国防総省はオスプレイの生産ラインの閉鎖に向けて動き出しているのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


米国防総省会計検査担当国防次官・最高財務責任者オフィス“FY 2024 Program Acquisition Costs by Weapon System”(2023年3月)より引用。
2024会計年度にオスプレイの調達計画は無い


米国防総省HPに今年5月5日付で掲載された、CMV-22オスプレイ4機の新規生産契約情報。この4機が最後の生産になるかもしれない
(米国防総省HPより引用)


米連邦政府のHP、USASPENDING.govによれば、上記のオスプレイ生産の根拠となる業務は、2026年5月31日までのものとされている
(米連邦政府のHP、USASPENDING.govより引用)


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