ホテル(H)訓練空域のホントの範囲は?(その1)
CV−22オスプレイ横田配備に関わる環境レビューに図示されている "Hotel Special Use Airspace"の「平面図」
環境レビューには、横田に配備されるCV−22オスプレイが使用する訓練空域が挙げられている。
第4章環境への影響、4.1空域のところで、本命の案について「訓練区域における運用」として以下の記述がある。
「CV−22の配備により、6つの訓練区域(東富士演習場、ホテル地区、三沢対地射爆撃場、沖縄の訓練場、アンダーセン空軍基地、韓国烏山空軍基地周辺のピルサン・レンジ)にわたり、空域使用及び弾薬使用を含む訓練空域における活動レベルが上がることになろう。」
この6つの訓練区域の中で、横田に近く広いのがホテル地区だ。今も厚木の艦載機がこのエリアで対地攻撃訓練などを行い、前橋や渋川をはじめとする各地で騒音被害が発生している空域だ。
防衛省は、このレビューを説明しに、関係する自治体を回っている。『防衛省によると、米軍側から、報告書に記載があった訓練区域「群馬・新潟・長野三県の周辺空域」は、自衛隊の訓練・試験空域「エリアH」と同じとの説明があった。』(東京新聞 2015.12.28付け朝刊)
ちなみに hotel はHの識別表現で、無線通信などでも用いる。Aが alfa, Bが bravo と置き換えられる。
国土交通省航空局が発行する航空路誌に記載されている空域制限のうちのひとつ。名前は"H"。赤枠内の除外スペースに注目
正規の空域の定義では、ホテル空域の一部が、低空域を別の空域"3"の一部として除外されている。だから「平面図」には現れない空域が、ホテル空域に欠けている。
もし、防衛省の説明通りに「エリアH」をCV−22オスプレイが飛ぶとしたら、前橋や尾瀬ヶ原の上空では、低空では飛行しない、ということになる。(続く)
(RIMPEACE編集部)
[参考]
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