米空軍安全センターレポートより(1)

CV−22、クラスA事故率の変遷


CV−22の年度ごとのクラスA事故件数と、時間軸に対する事故件数の「傾向線」(安全センターレポートより)

米空軍機の事故件数、事故率などの概要が、米空軍安全センターから毎年発表されている。横田への配備が始まったCV−22オスプレイも米空軍の一機種として取り上げられている。

2018会計年度までの事故を含む最新版では、CV−22のクラスAの事故が2件、2018会計年度中に起きたことがわかる。この2件の事故が起きた場所、事故の原因などは不明だ。

2015年5月に横田へのCV−22が発表されたとき、その時点でのクラスA事故数は3回、10万飛行時間当たりの事故回数を示す事故率は、2014会計年度末で7.21となっていた。
「一般に航空機の事故率は飛行時間の増加に伴い低減するものであり、CV−22についても、今後、この数値は低減していく見込みです。」これは、横田配備発表と同時に出された外務・防衛の 説明資料「CV−22オスプレイについて」に書かれているものだ。

実際には、事故率の数値は低減傾向にはならなかった。17会計年度まではクラスAの事故がおきなかったので、CV−22の事故率は低減して4.05になった。ところが18会計年度末では クラスA事故件数が2つ増えて、クラスA事故率も5.84に跳ね上がった。

「航空機の事故率は飛行時間の増加に伴い低減するもの」という一般論がCV−22オスプレイにはあてはまらなかった。その原因は、オスプレイの機体そのものにあるのではないか。
クラスA事故よりも事故の程度は低いが件数が多いクラスB事故について、改めて事故率の変遷をみていきたい。(続く)

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


2018会計年度まで、CV−22の年度ごとの事故件数、飛行時間、事故率などを記載した一覧表(安全センターレポートより)


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