CV−22、運用で危険性増幅
5月11日、2017年後半からCV−22オスプレイを横田基地に配備する、という接受国通報が米国政府から日本政府になされた。12日に防衛省が発表した。
内容について米国防総省も12日(日本時間)に発表した。
同じオスプレイでCV−22と普天間に配備されているMV−22の違いはなんだろうか?
防衛大臣が12日朝の記者会見で語った。「搭載装備に一部の異なる部分がある別機種でありますが、両者とも機体の構造と基本性能、エンジン、飛行システムの基礎が同一でありますので、
安全性は同等である」
このあと「CV−22も安全だ」という根拠のない主張が続くのだが、機体のハード面での共通性については間違っていない。だから、オートローテーションができない、とか乱気流に弱い、とか
機体の重量に比べて出力が小さいなどというMV−22の危険性がそのままCV−22にあてはまる。
そこに、CV−22の運用面での危険性が加わる。CV−22は米軍特殊部隊の輸送を主任務とする。敵地などに秘密裏にグリーンベレーなどを運び、任務遂行中の補給や、遂行後の脱出を行う。
「米軍の運用でありますが、各種事態の米特殊作戦部隊の迅速な長距離輸送という任務を達成する」「これを踏まえた通常の飛行訓練、低空飛行訓練、また、夜間飛行訓練を実施する」(同記者会
見でCV−22の特殊作戦の内容を問われた防衛大臣の発言より)
オスプレイの普天間配備の時の防衛大臣森本敏氏は退任後の著書「オスプレイの謎。その真実」(海竜社)の中でもう少し詳しく述べている。
「CV−22Bは空軍の特殊作戦用として長距離特殊作戦活動(長距離・高速潜入および離脱、船上[戦場?]における特殊作戦部隊への再補給)、不測事態作戦、海洋特殊作戦として使用する」
「脅威度の高い環境や不利な気象条件下での低高度飛行を行うため、対地追従レーダー、先進電子機器、戦術通信システムなど、各種の脅威対処装備を備えている」
また、MV−22との比較でCV−22の事故率がけた違いに高いことについて「CV−22は元来、米空軍が特殊作戦用に装備し、作戦活動や訓練に使用しており、通常より過酷な諸条件下で
飛行活動を行う必要上、要求性能や運用機が輸送機として使用されているMV−22とは異なることから事故率が高くなるのはやむを得ない結果とみられる」としていて、CV−22の運用が事故
率が高いことで示される危険性の高さの原因であることを認めている。
現防衛大臣は、「MV−22と同等だから大丈夫」と横田基地周辺自治体を説得したいようだが、「MV−22が安全」「CV−22はMV−22と同等」という2つの論拠が、両方ともトンデモ
ナイ間違いだ。(続く)
(RIMPEACE編集部)
エメラルド・ウォリアー2014に参加中のCV−22オスプレイ(USAF PHOTOより)
2015-5-14|HOME|