さらに危険なオスプレイ・CV22が横田基地に!(12)

横田のCVは日暮れて飛び立つ−3


普天間基地から夜間の訓練に向かう2機のMV−22オスプレイ。ローター先端のライトがリング状に見える
(2012.12.20 嘉数高台から撮影)

夜間飛行が頻繁に予想されるCV−22オスプレイの横田配備を発表するにあたって、中谷防衛大臣は5月12日の記者会見で次のように語った。
「通常の飛行訓練に加えて、低空飛行訓練、夜間飛行訓練、そういうものは実施をいたしますが、実施をする場合もですね、もうすでにMV−22というオスプレイをわが国として受け入れておりますが、この際の日米合同委員会の合意、これを含む既存の全ての日米間の合意を遵守をしていきますし、また、その合意におきましては、地域住民に十分な配慮がなされて、最大限の安全対策が採られていることを両国で合意を致しております。低空飛行訓練につきましても、原則として、地上から500フィート、約150メートル以上の高度で飛行をするということとされておりまして、この低空飛行訓練を実施する場合においても、わが国におけるCV−22の運用の安全性というものを十分確保されておりますが、この点においても、米側に安全性についての要望等も行っていきたいと思っております。」

MV−22の普天間受け入れに際しての日米合意の中には「22時から6時までの間、飛行及び地上での活動は運用上必要と考えられるものに制限される。夜間訓練飛行は、任務達成または練度維持に必用な最小限に制限し、できる限り早く終了させるよう最大限の努力を払う」(2012.9.19 日米合同委員会合意及び議事録骨子)が含まれている。

また、1993年11月日米合同委合意で、横田基地についてもほぼ同文の制限が課されている。
横田飛行場騒音規制(改正)と題されたこの合意では、「夜間訓練飛行は、在日米軍の任務の達成及び乗組員の練度維持のために必用とされる最小限に制限し、司令官は夜間飛行活動をできる限り早く完了するようすべての努力を払う」となっている。防衛大臣が「既存の全ての日米間の合意を遵守をしていきます」と言っても、この横田基地の夜間飛行制限の取り決めが、実際にCV−22オスプレイが横田から飛ぶときに、夜間飛行を制限する根拠にはならない。

CV−22は特殊部隊をひそかに敵性の地域に送り届けるのが任務だ。訓練飛行も夜間の低空飛行がほとんどとならざるを得ない。必要最小限の夜間訓練飛行とは、ほとんどすべてのCV−22の飛行に他ならない。それも、月の位置までを考慮して、それを取り込みながら飛行コースを決めていく飛び方だ。「真夜中に飛ぶかどうかは、お月さんに聞いてくれ」という訓練が「運用上必要」となってくる。
だから中谷防衛大臣が、本気で「地域住民に十分な配慮」を考えているとしたら、「既存の全ての日米間の合意を遵守」ではなく、四の五の条件を付けずに「夜間飛行は全面的に行わない」と言わなくてはならない。

米軍機の飛行を制限する日米合意は低空飛行についてもMV−22オスプレイの飛行モードにしても、あることはある。ただ、「原則として」「できるだけ」という類の言葉が入っていて、実際には米軍機の飛行を制限しているとは言いづらい状況が続いている。
そんな状況の中で、普天間のオスプレイ(MV−22)のパイロットで航空安全担当官の少佐が、日本記者クラブ沖縄取材団の取材に対して重大なことを話した。

(RIMPEACE編集部) 


1993年11月の日米合同委員会の合意事項。横田基地の運用制限についての合意だ。


2015-7-12|HOME|