国の説明資料「CV−22オスプレイについて」のお粗末さ、その1
目次の1、「オスプレイとは」の中のQ and A CVとMVの違いについて
5月15日、外務・防衛の担当者が横田基地周辺の各自治体に説明をした。その時に持ってきた資料が「CV−22オスプレイについて」(表紙と目次は下に)。
ざっと見ただけでも、内部矛盾やこれまでの説明との齟齬が見つかる。滑稽なほどお粗末な「説明資料」だ。
先ず、3ページのQ and A「CV-22とMV-22の違いについて」から。
「機体構造及び基本性能(エンジン、飛行システムの基礎)が同一です」「CV−22は、MV−22とは従事する任務が異なることから、MV−22にはない地形追随装置などを装備しています」
えっ!それだけ?
ユーロコプター EC 135は警察とドクターヘリで積んでる装備が違うが名前は同じじゃねーか? とつっこまれた長屋のご隠居、しばらく考えてから一言「MとCの違いだ...」
要するに装備が違うだけで本体がほとんど変わらないMV−22とCV−22の違いは、装備が違う、では説明にならず、任務の違いとそれにともなう運用の違いを言わないと答えにならない。
記者につっこまれたから答えた、などと思いたくはないが、防衛大臣が記者会見で「各種事態の米特殊作戦部隊の迅速な長距離輸送という任務を達成する」「通常の飛行訓練、低空飛
行訓練、また、夜間飛行訓練、こういうことを実施をするということになっております」と言っている。特殊部隊の長距離輸送任務が、昼間高い高度で飛ぶことでは達成できないだろうことは
だれでもわかることだ。事前に分かっていることをあえて説明資料から外せば、「誠心誠意説明を尽くします」という常とう句がむなしく響くのは当たり前だ。
主任務を達成するために行う訓練が、きわめて過酷な状況で行われ、そのために横田基地周辺のみならず訓練が行われる各地で、低空飛行や夜間飛行という危険を伴う訓練がMV−22よりも
飛躍的に多くおこなわれる可能性が強い。これがCV-22とMV-22の違いでまず説明すべきことだ。
(RIMPEACE編集部)
外務・防衛省の担当者が、横田基地周辺自治体に「横田基地へのCV22配備」について話を始めた際にもってきた「説明資料」の表紙と目次
2015-5-15|HOME|