さらに危険なオスプレイ・CV22が横田基地に!(6)

150mなんてものじゃないCV−22の低空飛行高度

CV−22オスプレイの横田配備を防衛省が発表した5月12日、中谷防衛相は記者会見でCV−22の低空飛行訓練について、語っている。
「通常の飛行訓練に加えて、低空飛行訓練、夜間飛行訓練、そういうものは実施をいたしますが、...この際の日米合同委員会の合意、これを含む既存の全ての日米間の合意を遵守をしていきま す。低空飛行訓練につきましても、原則として、地上から500フィート、約150メートル以上の高度で飛行をするということとされておりまして、この低空飛行訓練を実施する場合においても、 わが国におけるCV−22の運用の安全性というものを十分確保されております」

CV−22オスプレイが低空飛行を行うとき、本当に高度は150m以上なのだろうか?

米空軍の航空機が飛ぶときの手順書FLIGHT TEST OPERATIONS PROCEDURES 28 FEBRUARY 2013に、CV−22の項目がある。
CV−22オスプレイが「航空機モードで飛ぶ場合は対地高度300フィート以上、転換/垂直離着陸モードで飛ぶときは100フィート以上の高度で飛行せよ(離着陸時、試験飛行、訓練飛行で 調査済みの地域を飛ぶ場合、日中に有視界飛行でルート調査を行う場合を除く)」(A26.3.2.1)
「夜間に対地高度500フィート以下で飛ぶ場合は、ナイト・ビジョン・ゴーグルの装着もしくは地形追随システムを使うことが絶対に必要だ」(A26.3.2.4)
CV−22が500フィートよりはるかに下を飛ぶことが前提になっている。

極めつけは、つぎの「低空飛行」の定義だろう。
「低空飛行環境とは、日中は航空機モードで500フィート以下、転換/垂直離着陸モードで300フィート以下の飛行と定義する。夜はナイト・ビジョン・ゴーグルを装着しての低空飛行は、 航空機モードで1000フィート以下、転換/垂直離着陸モードで500フィート以下だ」

防衛大臣が「低空飛行訓練をおこなう」といいつつ飛行高度は500フィート(150m)以上だ、というのは、米空軍の手順書からしてありえないことだ。
米本国で100フィート近くまで高度を下げて飛んでいるCV−22が、中谷防衛大臣の言うように「運用・訓練場のニーズ」などの理由で横田に来るならば、少なくとも本国と同様の低空飛行 環境、すなわち、高度500フィートよりずっと低い高度を飛ぶ訓練をおこなうことは明らかだ。

沖縄に配備されたMV−22オスプレイが、配備前の「日米合意」に反した飛行を繰り返している。米国がCV−22の配備の前に「これまでの日米合意をすべて尊重する」といっても、どんどん 「例外飛行」が出てくるのは目に見えている。

(RIMPEACE編集部) 


訓練中のCV−22オスプレイ(USAF PHOTOより)


2015-5-24|HOME|