さらに危険なオスプレイ・CV22が横田基地に!(8)

事故率の変遷から見た、オスプレイの危険性


CVはMVに比べて、より過酷な状況で訓練をおこなうため、事故率も高い。ほんの2年前に言ったことだ。 (防衛省の資料より)

2012年9月、オスプレイの沖縄配備の直前に、防衛省はなりふり構わずMV−22を持ち上げていた。CV−22が仲間としてひとくくりにされないように、CVは任務が違う、困難な任務の 訓練のために事故率が高い、と。多分いまごろ、言わなきゃよかったと後悔していると思うけれど。

では、MV−22は防衛省の期待通り事故率が下がっているのだろうか?
CV−22の横田配備を周知する際に、MV−22の事故率についても一部マスコミで、防衛省筋の情報として10万飛行時間あたり2.12という数字が報道された。12年9月に防衛省が言っ ていた事故率は1.93だった。少し増えていた。

しょっちゅうは起きない事象の起きる率は、その数字だけでは、単純に比較するのは難しい。ある特定の時期の事故率はその機種の安全性の一つの指標とはなりえても、時間とともに動くものだ。
飛ばしているうちに、不具合を発見して修正していけば、普通は事故率は時間の経過とともにある程度落ちる。この一般傾向に対して、MV−22の事故率が増えているのが気になった。

普天間配備前のレビュー、防衛省の「MV−22オスプレイの事故率について」など入手可能な資料から抜き出した事故率をもとに、飛行時間を横軸にとった事故率の棒グラフを作ってみた。 初めの事故の時の飛行時間は3万時間と仮置きした。経過月数で比例配分した飛行時間データもある。コンマ2ケタまで正確な数字ではないが、思った以上にMV−22オスプレイのクラスA事故率 の傾向が出てきた。

時間経過とともに下がるはずの事故率が、傾向として増えていることが一目瞭然だ。
右上がりの傾向は、クラスA事故が起きるインターバルが短くなってきていることを示す。過去の事故率にまで回復する前に、新しい事故が起きているのだ。

小さなトラブルの手直しや事故原因の分析で事故が起きにくい機体になっていくはずのオスプレイが、それとは真逆の事故率の増加を示している。
考えられる第一の理由は、オスプレイがまだ初期トラブルに見舞われている可能性だ。ただ主力の航空機として2007年から実戦配備が始まっているオスプレイに、今更初期故障でもあるまい。

残るは、多少の手直しでは修正出来ないほどのオスプレイの根本的な構造の問題である可能性だ。
機体重量に比して出力が足りないこと、乱気流に弱いこと、VRSに陥りやすいこと、オートローテーションが効かないこと。これらを併せ持つオスプレイの欠陥が修復不能であることの証明なの ではないか。

(RIMPEACE編集部) 


縦軸は10万飛行時間あたりのクラスA事故発生率。横軸はMV−22の累計飛行時間(1万時間単位)(12.7.16 修正)


2015-6-21|HOME|