さらに危険なオスプレイ・CV22が横田基地に!(9)

オスプレイだって救難に役立つことはある、しかし...


外務・防衛の説明資料で、CV−22の任務・役割の部分。なぜか、主要な任務ではなく「民間人の救出」「災害救援」が図解されている

 「CV−22は、各種事態が発生した場合に、初動対応を行う米軍部隊を輸送することを主な任務としています」「我が国に配備されるCV−22が輸送する米軍の部隊は、アジア太平洋地域に所在する 米軍の特殊作戦部隊などです」

外務・防衛の周辺自治体への説明資料のQアンドAで、Q:CV−22はどのような任務・役割を担つていますか、に対するAの部分だ。中谷防衛大臣の「米軍の運用でありますが、各種事態の米特殊作 戦部隊の迅速な長距離輸送という任務を達成する」「これを踏まえた通常の飛行訓練、低空飛行訓練、また、夜間飛行訓練を実施する」との記者会見での答えと一致するものだ。主要な任務で運ぶ 対象は米軍特殊部隊だ。

そして明らかに主要とは言っていない「大規模災害が発生した場合には、CV−22の高い能力を活かして、捜索救難などの人道支援・災害救援活動を迅速かつ広範囲にわたって行うことができます」と の説明が加わる。
大規模災害が発生した時、国・自治体をはじめあらゆる災害対応組織が利用できる資機材を総動員して救援活動にあたる。ただそれを持って、その資機材の通常の任務が肯定されるか、と言えば 軍隊の場合それはノーだ。

東日本大震災の発生直後に米軍の原子力空母レーガンが三陸沖に駆けつけ、救難物資を運搬するへりのベースとなり、また被災者への入浴支援も行った。被災者の感謝の思いが伝えられた活動だっ たが、この活動のために空母が世界の海をまたにかけて遊弋しているわけではない。
大地震や原発事故の際に使うことができるから、日本でも空母を導入しましょう、という話にはならないことも、また当たり前のことだ。

これまでの大規模災害の現場での自衛隊の仕事を見ても、軍隊の資機材が災害救難活動に応用できることは明らかだ。ただ、施設部隊を中心とする重機運用機能や給食機能は、戦闘の継続・ 遂行を目的としたものだ。
防災・救難をメインの任務とする組織ならば、その任務に即したへり、車両、装備を集め、訓練を行ない、緊急出動に対応可能な体制をとる。防災・救難の態勢づくりにふさわしいものか、という 観点から機種も選ばれるべきだ。

オスプレイが防災・救難任務にふさわしいのかどうかを考えれば、その答えは明らかだ。事故率が時間の経過とともに増えていく実態、機体重量に対して出力が十分でないこと、乱気流の影響を 受けやすいこと、ホバリング時の排気が真下に向かうこと、一機当たりのコストがバカ高いことなどなど、オスプレイには防災・救難用と逆の要素が山積している。
外務・防衛の説明資料でのCV−22の説明に災害救助活動も広範囲で行える、とあるのは、そういう使い方もありうると言っているにすぎない。

(RIMPEACE編集部) 


2015-7-4|HOME|