激増、渋川・前橋上空対地攻撃訓練


08年1月の渋川・前橋上空行きは過去の月別発進回数最大値の6割り増し以上だった


機種別ではスーパーホーネットが断然多い

厚木の艦載機は、毎年1月前後に前橋・渋川上空の演習空域に出撃するケースが増える。しかしこの08年1月の回数は ベラボーなものだった。
われわれが把握しただけでも、月間197回。これは、過去月別で一番多かった2005年1月の119回をはるかに超える。

この空域での訓練は、対地攻撃が主体だ。急降下・急上昇を行うため、空域の下の地域ではガラスが割れたり爆音がひどい被害が 起こる。
1月3日から、厚木の艦載機のこの空域への飛行が始まったが、特に集中したのが1月14日から18日の5日間だ。この5日間だけで 150機近くが渋川・前橋上空に殺到した。
騒音に対する苦情が県に殺到した時期もまさにこの5日間だ。

今年1月の特徴は、飛来機数の多さだけではない。「魔の5日間」の翌週の1月21日、厚木からホーネット・スーパーホーネットあわせて 30機ほどが、硫黄島経由でグアムに向かった。
NLPや空母がグアム周辺にいるとき以外でこのような飛び方をするのは、艦載機が実弾投下訓練を行う場合だ。
「艦載機の対地攻撃訓練は、沖縄の離島の射爆場か、サイパンの北の無人島ファラロン・デ ・メディニラでしか出来ない」(2002.4 GAO Report)
集中して群馬の上空で対地攻撃訓練を行った厚木の艦載機が、翌週初めに、今度は大挙して実弾投下訓練のためにグアムに向かった。

このところ嘉手納基地にも岩国から海兵隊のホーネットが展開し、鳥島や出砂島などの爆撃訓練場で実弾投下を繰り返している。
海軍・海兵隊の戦闘攻撃機の実弾投下訓練が目立つ。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
NAVYの演習制限(2002.7.14)


嘉手納基地で誘導爆弾の実弾を装備する海兵隊ホーネット(08.1.29 金子ときお 撮影)


'2008-2-6|HOME|