厚木のプラウラー、グアム近海で墜落


グアムの北北東およそ260キロに、NAVYが実弾爆撃訓練を行う無人島ファラロン・デ・メデリーナがある
NOAA Hydrographic Survey Priorities (2004.3)の図を用いて作成

厚木基地からグアムに訓練に行った電子戦機EA6Bプラウラーが、2月12日にグアム近海で墜落した。事故原因は調査中、との報道の中には、 墜落位置がグアム島の北東20マイル、とするものもあった(Pacific Daily News)

この方角にあるのが、無人島ファラロン・デ・メデリーナの実弾射爆場だ。
厚木の艦載機は、渋川・前橋上空の訓練空域ホテル・エリアで、1月中旬にこれまでに無い密度の訓練を行った。あまりの爆音のひどさに、地域 住民の苦情が自治体などに集中した翌週、ホーネット、スーパーホーネットあわせて約30機が、グアムに移動した。ファラロン・デ・ メデリーナで実弾爆撃訓練を行うためだ。
翌週の1月28日と29日に、今度はEA6Bがグアムに向かった。この中に墜落した機体が含まれていると思われる。

EA6Bは1月中に6回、対地攻撃訓練エリアに向かっている。ホーネット・スーパーホーネットと比べて少ない数だが、それはEA6Bの 任務の違いからくることだ。
電子妨害を主任務とするEA6Bは対地攻撃訓練エリアで何をおこなっていたのだろうか。攻撃機と行動をともにしながら、攻撃機を迎撃 するレーダーを妨害する、いわゆるエスコート・ジャミングの機動訓練が考えられる。

攻撃機がグアムから発進して爆撃訓練を1週間続けたあと、より高度な統合訓練に移行するために、1週間遅れでEA6Bがグアムに 向かったのではないだろうか。
プラウラーがグアムから訓練に出だして2週間後に事故が起きた。そのプラウラーの飛行は、実弾爆撃こそ行わないが、渋川・前橋上空 でホーネットたちと訓練してきたエスコート・ジャミングではなかったか。

グアム近海で起きた墜落事故が、ほぼ同じような訓練を直前に繰り返していた渋川・前橋上空の訓練空域で起きていた可能性がある。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
激増、渋川・前橋上空対地攻撃訓練(2008.2.6)


厚木基地に着陸するEA6B部隊の「隊長機」(07.12.10 撮影)


'2008-2-16|HOME|