愛宕山跡地に被災者住宅を!
造成工事が進む愛宕山跡地(2011.4.15 撮影)
3月11日に突如襲った東日本大震災は、人災とも言える東京電力の福島原子力発電所の事故と重なり未曾有の大災害に拡大した。
予想をはるかに越える津波は住み慣れた家や街を破壊し、今なお数十万人の人々が避難生活を強いられている。原発の周辺広い範囲では、
今も行方不明の方々の捜索さえ行うことが出来ない。
政府はこの災害で家を失った方たちの仮設住宅を10万戸以上建設する計画だが、建設用地もままならず取りかかれたのはまだ予定の
10パーセントにも満たないという。
津波はこれまで交流の深かった人々の絆も引き裂き、多くの街を消してしまった。これからしばらくは、やむを得ず仮設住宅での生活
再建を強いられるが、出来るだけ以前のような生活環境は確保したいもの。
かっての隣組がまとまって入居出来るような配慮も欲しいのだが、これを可能とするまとまった建設用地が中々確保出来ない。
4月1日、定例の「愛宕山見守りの集い」で参加者から口々に、愛宕山開発跡地を米軍住宅ではなく東日本大震災被災者の為の復興支援
住宅に活用したらという意見が期せずして生まれた。
国はこの跡地買い取りの為に2010年度予算で199億円計上し、未だ買い取りの決定がなく予算全額を2011年度に繰り越してい
る。そして目の前には約45ヘクタールのまとまった用地が厳然と横たわっている。
菅総理は4月1日に行った会見で「山を削りエコ・福祉の街を作る」と復興への構想をぶち上げた。まさに愛宕山こそ、その総理の理想
に叶う受け皿ではなかろうか。
さっそく、「愛宕山を守る会」は二井山口県知事へ『愛宕山開発跡地に東日本大震災被災者のための「被災者支援住宅(仮設住宅・恒久
住宅)の建設を!』という緊急提言をまとめ、4月4日、岡村代表が県庁を訪ね要望書を提出した。
対応した県総務部の小松一彦理事は、「県として職員派遣など被災者支援をしており、住宅についても県営住宅を手当てしており、今後
の需要に応じて支援策の拡大も検討したい」と消極的な態度に終始した。
沖縄県宜野湾市が返還予定の「キャンプ瑞慶覧」にある米軍住宅約300戸を被災者支援に活用する要請を始めたことと重ね合わせれば、
なんと山口県の姿勢の貧困さよ。
提言では、被爆都市広島に近い岩国で、事故を起こした福島原発周辺住民に安心の支援体制も提供出来るという利点も有り、集落ごとの
移転も出来ればかっての「絆」も復活出来るとその効果を期待している。
何よりも愛宕山跡地に目下計画されている1戸1億円とも言われる米軍高級将校のための豪華住宅を作るなど、とんでもない話。今は一円
でも、災害復興に使うべき時である。
「愛宕山に米軍住宅ではなく復興支援住宅を!」この声を全国に広めよう。そして、山口県知事がこうした提言を受け入れるよう、電話
やFAX・メールを集中しよう。
山口県知事への電話番号は、083−933−2570
FAXは、083−933−2599
メールは、teigen @ pref.yamaguchi.lg.jp
(田村順玄・岩国市議)
初出:2011年4月17日付け「おはよう愛宕山」(392号)
[関連ページ:緊急提言収録]
緊急提言 愛宕山に「被災者支援住宅」を(2011-4-7)
国の出した配置図に岩国市のまちづくりを合成させた、岩国市制作の図面。岩国市のホームページより
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