2003年4月〜2004年3月 岩国基地の飛行状況


岩国基地を離陸する航空機の飛行記録をまとめ、9年目を迎えた。95年度以来毎年、1年間の飛行記録を公表しているが、このたび2003年4月から本年4月までのデータ整理が完了したのでその実態を公表した。

2003年度の飛行状況の特徴として、以下の点が指摘できる。

1.年間総飛行回数が2002年度より1000機以上増えた。自衛隊機はほぼ横ばいなので、この大幅増は米軍機が増えたことを意味する。

2.FA18が増えたのは、3飛行隊態勢の中で、岩国を留守にするトータルな期間が3飛行隊あわせて3ヶ月分ほど少なくなったためだろう。(9ヵ月⇒6ヶ月)

3. 02年度と異なり、03年度は年度を通じてEA6Bプラウラー部隊が岩国に展開した。しかし、期間が倍になった以上に、飛行回数は3倍になった。プラウラーの訓練が激しかったことを示している。

3.艦載機の飛行回数は6月と11月が特に多かった。ペルシャ湾から5月初めに戻ってきたキティーホークの艦載機が、訓練を再開したのが5月中旬からで、6月の岩国への飛行回数増につながった。また、11月にはスーパーホーネットの厚木配備が開始され、厚木・岩国間で低空飛行を含む往復の飛行訓練が行われた。

4.空軍のチャーターした大型民間輸送機は、02年度と同様60機近くが、また大型の軍用輸送機もC5,C17など30機ほどが飛来した。増えたのは空中給油機で02年度比3倍が飛来している。部隊移動を支援する機体だが、部隊移動が凍結された02年度には出番が少なかった。
定期便の患者輸送機C9は、退役のために横田を去った。そのため、8月までしか飛来せず、02年度の3分の1の飛来回数となった。

5.航空自衛隊の輸送機C1,C130が、02年度同様、米軍の支援のために横田、嘉手納間を米軍物資を積んで飛行している。その中継点となっている岩国で、03年度は、嘉手納行き、横田行きとも約40回を数えた。


総合的に見た「岩国基地」の動き

 イ 9.11テロ、アフガン戦争、イラク戦争と続き、テロの脅威が続く岩国基地であるが、総じてアフガン・イラク戦争では現段階では海兵隊の出番は無く、岩国基地の航空部隊が直接その戦争にリンクした動きは無い。その代わり、岩国基地の任務・役割は北朝鮮などアジアの状況に対処出来る軍隊として、岩国周辺において平素の訓練を繰り返してきたと推測される。こうした動きが03年度の飛行状況にも顕著に表れていると言える。

 ウ 海上自衛隊は昨年5月、U36訓練支援機が岩国基地滑走路で墜落、4名の乗員が犠牲となった。その機種の飛行を除けば年間を通じて大きな変化は無かった。

 エ 以上、2003年度の岩国基地を離陸した航空機の飛行記録をもとに検討を試みたが、この記録にはNLP(艦載機の着艦訓練)の飛行回数や、岩国基地周辺での飛行訓練:GCAなどの飛行状況は含まれていない。
   しかし、その他の岩国基地を離陸する航空機はほぼ確実に記録されているものと確信する。添付した各種の記録データーと併せ参考とされたい。

岩国市議・田村順玄


2003年度の動き

  • 2003年度総飛行回数

  • AV8B

  • FA18

  • EA6B

  • KC130

  • 海兵隊機低空飛行実施状況


    なお、2003年度の海兵隊所属機の部隊ごとの岩国駐留状況は以下のグラフのとおり。岩国を留守にしている期間が、各飛行隊とも短いことがわかる。


    HOME