2006年4月〜2007年3月 岩国基地の飛行状況
岩国基地を離陸する航空機の06年度飛行監視記録がまとまりました。95年度以来の岩国基地の飛行記録の公表で、通算12年目の記録です。
米軍再編で注目される厚木基地艦載機の動きも加味しながら庁舎建設補助金問題に絡む沖縄の空中給油機のうごきなども分析しています。これらの飛行記録を見ながら、岩国基地で展開される航空機の軍事的な性格を読みとっていきたいと思います。
防衛省などが公表する一方的な情報に惑わされず、市民の目線で米軍再編に対峙する一つの素材として活用いただければ幸いです。
岩国市議・田村順玄
06年度、飛行状況のまとめ
1.年間の総飛行回数が7,559機と05年度に比べて452機減少している。
機種別に見ると、FA18、EA6B、艦載機がそれぞれ150機程度の減となった。
ただ、FA18は4%足らずの動きで、誤差の範囲と思える。
EA6Bは、05年度は4ヶ月不在期間があったが、06年度はさらに多く7ヶ月不在だったが、これが減少の原因だろう。
2.艦載機については、空母が横須賀不在の期間は05年度4ヵ月、06年度5ヶ月で減少要素にはなっているが、機数の減は4割以上だ。05年度の飛来が多かったとしかいい様がない。2000年度以降の平均値240機弱と比較すれば、やや少ない程度の機数となる。
3.低空飛行訓練の回数が増加した。
特に増えたのがFA18の低空飛行訓練で、6割強の増加。飛行が1000機近く多かった04年度の低空飛行回数に近い。
ルート別ではオレンジルートが5倍以上に増えて、第1位となった。パープルルートは微増、ブラウンルートは微減で、オレンジルートの伸びが目立つ。
4.KC130の低空飛行について
沖縄・普天間基地所属のKC130空中給油機は今回の再編計画で国の勝手な方針変更で展開場所をグアムや鹿児島県の鹿屋基地に変更すると伝えているが、実態は違う。
しっかり岩国基地を拠点に、危険な低空飛行訓練を実施している実態が明らかになった。
05年度からKC130の飛行は、増加してきたが、総数は一割弱減ったとはいえ相変わらず高い水準だ。沖縄との往復は05年度とほとんど変わらないが、韓国近海のポイントや韓国内への飛行は相変わらず多い。
06年度の特徴は、低空飛行ルート(オレンジ、ブラウン)に向かうKC130が20機あったことだ。05年度からこの傾向が見え出した。06年1月に6機が低空飛行ルートに向かっている。(このときは「岩国周辺」に分類したが、06年度は傾向がはっきりしたので、その他の項目に含めている)
KC130が低空飛行ルートをたどる戦術的な意味はいまのところ不明だ。
いずれにしても、KC130に絡んで岩国市では市庁舎建設経費の国補助金がカットされている現実を見れば、この飛行機が岩国基地と大きな関わりを持っている事があらためて証明されているのだが。また、運用の拠点がグアムや鹿屋に変わるといっても今回の記録を見る限り、今後も岩国を拠点として活動することは変わらないだろう。
5.自衛隊機について
飛行総数はやや減ったが、大まかには02年度以降同じ水準だ。
6.07年3月の飛行数の多さについて
3月に入って、岩国基地の飛行総数が激増している。ホーネットの飛行数が激増したためだ。米韓合同演習「フォールイーグル」が韓国で実施され、岩国がその出撃基地の役割を果たした。
7.艦載機がもし移転していたら
06年度の厚木での艦載機の飛行機数を仮集計した。年度内の飛行機数は艦載機全体よりも岩国の海兵隊機(FA18,EA6B,AV8B)の方がやや多い。しかし、艦載機は空母が日本(横須賀)を離れているときは厚木からは飛ばないから、飛行するときの1日あたりの機数は多くなる。
艦載機の飛行機数と岩国の海兵隊機の飛行機数を重ねると、ヤマとタニの落差が激しくなり、異常な状態になることがよく分かる。
8.厚木発艦載機の低空飛行回数との比較
06年度の厚木発艦載機の低空飛行回数を仮集計した。岩国の低空飛行と比べてみると、岩国の方が8割多い。
07年1月から3月に低空飛行が多くなったのは、艦載機も海兵隊機と同じだ。ルートは両者ともオレンジルートがダントツのトップだ。
2006年度の動き
2006年度総飛行回数
AV8B
FA18
EA6B
KC130
海兵隊機低空飛行実施状況
なお、2006年度の海兵隊所属機の部隊ごとの岩国駐留状況は以下のグラフのとおり。

もし、艦載機が全部岩国に移ったら? 06年度の飛行実態を積み重ねると...

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