本当に我々が見えているのか?

高知県消防・防災ヘリパイロットの疑問


 事故調査委員会のメンバーが、墜落機のパイロットを救助した高知県消防・防災隊と2月13日に会談した時のメモが、報告書に添付されていた。そのメモによると、会談の最後のあたりでこんな会話があった。
 高知県パイロット:米軍のF18が四国で低空飛行を行うが、ときどき我々は、彼らが大変早い速度で飛び去るのを目視することがある。大変気になるのだが、彼らの目に我々は映っているのだろうか。彼らは我々を目視確認しているのか、それとも単に通りすぎたあとで我々を見つけるのだろうか。彼らは実際我々を見ているのだろうか。


 事故調査担当ギャラン中佐:判らない。岩国基地の安全担当部門にその質問をしてみる。

 早明浦ダムの事故報告書の中に、米海軍が低空飛行ルートを飛ぶ時の「心得」が書かれた書類がある。「このルートは日本の航空局に認可されたものではないし、民間航空のパイロットへのオフィシャルな通達もない。また、ルート上の障害物情報の更新もされない。このルートを飛行する時は”よく見て避けろ”が極めて重要である」

 "See and avoid" というのが原文なのだが、高知県防災・消防ヘリのパイロットが質問したのは、 avoid の前提となる Seeが本当に出来るのですか、ということなのだ。オレンジルートを低空飛行する米軍機と、空中衝突しかねないという恐れを感じながら「本当に私たちが見えているんですか」と尋ねたパイロットたちに、後日まともな返答はあったのだろうか?


HOMEオレンジルートで爆撃訓練オレンジルート事故機の飛行経路図