那覇軍港に1月から置かれていた軍用車両は、その後少しずつ数を増やし、また集積場所が国道沿いに変わった。場所が変わった時点で、事前集積艦に積みこむのではないか、とか演習に使用するための輸送待ち、というような観測が流れた。実態はどうだったのだろうか。
国道沿いのフェンス脇に移動した車両は、基地の外からも見やすくなった。その結果、海兵隊の水陸両用装甲車や、防空ミサイルシステム搭載車両などのほかに、NAVYやAir Force の車両も含まれていることがわかった。
4ヵ月もカバーもかけずに「放置」されていた寄せ集めの車両群は、軍事目的に使用されるのではなく、スクラップとして処分されたと見るのが妥当だろう。
Air Force の車両に貼られていた軍事輸送ラベルには、この車両が嘉手納基地から那覇軍港までしか軍では輸送しないことが書かれていた。どこかの演習に運ぶのならば、輸送ラベルのあて先はその場所になる。
スクラップとして売却処分になった車両たちの引渡し場所が那覇軍港であり、そこから(多分)米本国までの輸送は、入札した業者の負担になる、という契約なのだろう。そのために貨物船がチャーターされ、Ro/Ro船のブリッジの位置から、搬入し易いバースの近くに車両が移動した、というのが真相だと思う。
一気にこれだけの廃棄車両がでること自体、沖縄の軍用車両が本土に比べて格段に多いことをを示しているのではないだろうか。
(RIMPEACE編集部)
[参考ページ]シリーズ・沖縄の基地を視る(37) 防空システム搭載車両、那覇軍港に並ぶ(2006.1.26)