高速輸送艦、那覇・スービック一往復半


那覇軍港停泊中の高速輸送艦ミリノケット(T-EPF 3、旧クラス JHSV)。後方はウェストパック・エクスプレス


ミリノケットの艦内のデッキには、トラックなどが多数積み込まれている。2時間後にはフィリピンに向けて出航した(2016.4.3 伊舎堂 達也 撮影)

タイから3月24日に那覇軍港にやってきた高速輸送艦ミリノケットは、海兵隊の車両などを積み込み3月28日朝出港した。行き先はフィリピンのスービック港で3月30日に到着した。

軍用車両などを降ろしたミリノケットは、翌31日昼に出港、ふたたび那覇に向かい4月2日に到着、高速輸送艦ウェストパック・エクスプレスの鼻先に停泊した。
再度トラックなどの海兵隊の車両やコンテナを積み込んだミリノケットは3日朝、スービックに向けて出港した。スービック到着は5日午前だった。

フィリピンでは米比合同演習バリカタン2016が4月4日から16日まで行われる。この合同演習に参加する沖縄海兵隊の装備を那覇軍港からミリノケットが運んだ。

米軍再編の基本方針ともいえる「日米同盟:未来のための変革と再編」が2005年10月29日に2プラス2で合意された。U.役割・任務・能力、3.二国間の安全保障・防衛協力において向上すべき活動の例の中に「補給、整備、輸送といった相互の後方支援活動。補給協力には空中及び海上における給油を相互に行うことが含まれる。輸送協力には航空輸送及び高速輸送艦(HSV)の能力によるものを含めた海上輸送を拡大し、共に実施することが含まれる。」と掲げられている。
高速輸送艦による海上輸送が、米軍の展開にきわめて有用であるという認識が、この例示の裏にはある。「未来のための変革と再編」合意から10年余経過して、米軍の運用するスピアヘッド旧高速輸送艦は6隻となり、計画中も含めると10隻となる。
沖縄の海兵隊の東南アジアへの移動が、ミリノケットなどを使って行われ、別の方面にはウェストパック・エクスプレスが行くなど、高速海上輸送能力の拡大が米軍の中で進行している。

(RIMPEACE編集部)

[関連ページ]
那覇軍港に高速輸送艦2隻(2016.3.24)


3月30日午前、フィリピン・スービック港に入るミリノケット(US NAVY PHOTO)


2016-4-5|HOME|