飛行中にエンジンが止まったら?
沖縄配備のオスプレイの第一陣が普天間に来てほぼ半年が経過した2013年2月のある日、嘉数高台から普天間基地を見ようとして展望台の下まで登って行ったとき、小学校3、4年くらいの男の子
が二人、走ってきた。ちょうどヘリがエンジンをかけて、ローターが回る音が高台まで響いていた。
「オスプレイだ!」「オスプレイってオートローテーションが出来ないんだってさ!」
ねえ、どこで聞いたんだい?と聞こうと思った時には、元気な子供たちは坂を駆け下りて行ってしまった。
沖縄では小学生でも知っている「オート・ローテーション」、本土では決してポピュラーな言葉ではない。だが、オスプレイについて語るとき、「オートローテーションが出来ないんだってさ!」
という言葉に示されるオスプレイの危険性は避けて通れない。
エンジンが停止したヘリは、何もしなければニュートン力学の法則通り重力加速度と落下時の空気抵抗が釣り合うまで下向きに加速され、地面に激突する。墜落だ。
エンジンが停止した時、ヘリのパイロットは訓練で叩き込まれた操作を行う。エンジンと回転翼の連結を切る。車で言えばギアをニュートラルに入れる操作に相当する。ヘリが落下するときに、
ヘリから見ると上昇気流が発生し、竹とんぼのように翼が回って浮力が発生し、落ちるスピードを和らげる。
これがオート・ローテーションで、致命的な激突を回避しハード・ランディング程度で乗員の命を救う。
オスプレイもエンジンと回転翼の連結を切ることは出来る。ただ機体重量が重く、回転翼の長さが足りないために、落下速度を十分に緩和することができずに地面に激突する。オートローテーションを行っても安全に(致命的でない程度に)着地できない。
ヘリの持つ最後の安全装置を持たずに飛んでいるのがオスプレイだ。
オート・ローテーションについては、オスプレイが普天間に配備される前に書いたものを、リムピースのサイトにアップしている。
オスプレイ普天間配備の危険性を暴く −2 オスプレイはなぜオートローテーションで安全に降りられないか? (2011-9-24)
是非こちらにも目を通していただきたい。
(RIMPEACE編集部)
2014-11-19|HOME|