シリーズ・沖縄の基地を視る(159)

シュワブ基地内建設状況・2010年10月


キャンプシュワブの辺野古集落寄りの部分。4ヶ月前と比べて少なくとも3ヶ所が大変わり(10.10.17 撮影)


4ヶ月前の上空からの写真。赤い線で囲ったところが変化中の建物・用地(10.6.19 撮影)

10月17日の那覇行きの機内から撮ったキャンプ・シュワブの写真を、4ヶ月前の写真と比べてみた。

6月にはまだ建築中だった国道側の建物はほぼ完成していた。兵舎の前に海を見下ろすように立ち上がっていた第2兵舎らしい建物は、 内装・外装の段階に移ったようで、建物全体に網がかかったような状態だ。
毎週シュワブ・ゲート前で行われる新基地建設反対のアピール行動の際、フェンスの内側に見える赤土むき出しの建設用地は、緑がさらに 剥ぎ取られて、建設区画全体が赤茶色になっている。

沖縄県民総体の意志で、普天間基地の県内移設(辺野古新基地建設)の実現性が、風前の灯、もしくは灯心に火の気が残っているだけの 状態になっている。それなのに、新基地建設を前提としたシュワブ内施設・建物の玉突き移転工事だけが、粛々と進められている。
出来るうちに建物を建ててしまおう、という米軍の意図がこれほどはっきり見える場所も珍しい。

それでも、普天間の辺野古移転が難しそうだ、という見方が強くなってきたのか、普天間基地での施設の整備にも海兵隊が取り組み始め た。
普天間基地の航空燃料システムの保守・修理契約を住友重機械が落札した。航空機の格納庫の扉の交換も入札手続きに入っている。
2011会計年度海兵隊航空計画では、「普天間の移設計画に遅れが予想されたり、移設計画がキャンセルされた場合」に、倉庫の新設 や滑走路・誘導路の路肩の工事、滑走路のオーバーランの工事などが必要だとして、リストアップされている。

二重投資が行われ、米軍ばかりが焼け太りということだって考えられる事態になってきた。
出来ない新基地建設を前提としたキャンプ・シュワブ内の移転工事は、直ちにやめるべきだ。工事は日本の費用負担でで進められている。 「仕分け人」たちの出番ではないのだろうか。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
シリーズ・沖縄の基地を視る(151)  上空から見た Cシュワブの施設建設状況(2010-6-25)


建物の高さは地上からの方がよくわかる。兵舎の前に建築中の第2兵舎?(10.10.17 撮影)


2010-10-31|HOME|