シリーズ・沖縄の基地を視る(17)

嘉手納基地の偵察機・05年7月



現在2機態勢になっている嘉手納のEP3電子偵察機(05.7.5〜7 撮影)

7月初旬の嘉手納基地には、米海軍の電子偵察機EP3が2機配備されていた。中旬になってもそのままの態勢で、ほぼ連日、2機のうちのどちらかが偵察飛行を行っている。
飛行する方向は、嘉手納から北に向かうものが多い。青島の中国艦隊の動きを探っているのではないだろうか。
2機のうちの1機はPR32番、中国の戦闘機と接触して海南島に不時着した機体だ。垂直尾翼にかかれた大きなコウモリが目立つが、もう一機(PR34)と同様、背中やあご、腹に多数のアンテナを抱える「電波傍受装置の固まり」だ。

空軍の電子偵察機RC135Vも一機、嘉手納に常駐している。こちらは2,3日に一回飛行しているが、海軍の電子偵察機とは逆に、南の方向に行くことがあるという。この機体も、背中、機首側面や腹にアンテナを多数装備している。とくに腹の部分にとげのように埋め込まれているブレードアンテナは、滑走路面に接近しているので、離陸・着陸時には、嘉手納の滑走路に張られている緊急停止用のワイヤーを外す。

7月5日に20日ぶりに飛行したWC135大気観測機は、その後は台風5号の接近の際に横田に避難した以外は飛行していない。「北朝鮮の核開発をめぐる6者協議」の再開が公表される直前のWC135の飛行は、協議中または協議後の核開発の動きと比較するための、基準になるデータ収集のためだった、と推定される。

(RIMPEACE編集部)


空軍のRC135電子偵察機。2、3日に一度、偵察飛行を行っている(05.7.7 撮影)


7月5日に飛行したWC135大気観測機。その後は「台風避難」以外は飛んでいない

[参考ページ]
嘉手納のWC135、20日ぶりに飛行(05.7.9)


2005-7-21|HOME